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2005
07.20

船形山遊歩道

 午前中の法務を終え、かねて「船形山遊歩道」を作詞作曲した大久保さんに勧められていた遊歩道へでかけてみました。
 入り口(キャンプ場)までは車で30分。小川にかかる吊り橋の先は別世界です。
 遊歩道から見上げると、樹木は、天をめざしていかなる年月をかけて伸び続けたのか判らないほどの存在感で空を隠し、足下へ眼を向ければ、天狗のウチワかと見まがうような巨大で濃緑の葉が落ちており、南京袋のようにモシャモシャした感触なのに踏んでもびくともしない固い殻に覆われた小さな種も散在しています。
 見渡す限り緑の海ですが、渓流のせせらぎ以外は時折鳥の声がするだけで、背後では深い静寂が森を満たしています。

 約40分で「すりばち沼」に着きました。
 熊笹が風にざわめき、枯れ木が散乱している狭い岸辺の先に広がる沼は、いのちあるものの気配をあまり感じさせません。土地の人は「おっかない沼」とも呼ぶそうです。
 しかし、眼をこらすと、体長10?ほどのサンショウウオが枯れ木の下にいるのを発見しました。
 きらめき揺れる水紋を通して漆黒の姿ががはっきりと見えます。
 時には水の動きに乗り、時にはゆっくりと這い、長閑なものです。
 数億年も前からこうしているのかなあと思うと思考停止状態になり、妻と並んでおにぎりを食べながら、しばし頭が空っぽになる時間を過ごしました。

 帰り道、ザザッ、ザザッと通路脇の斜面で音がします。
 熊だろうと思い「懺悔懺悔、六根清浄」と言いながら山を下っているうち、左横20?のところへ黒い熊が現れ、驚くほどの早さで斜面を登って遠ざかりうずくまりました。
 体長は約1.5メートルでしょうか。
「おい、熊だぞ」と指さすと、妻は恐がりもせず「可愛いわねえ」などとつぶやいています。
 サンショウウオのふわふわ・とろとろした様子が見飽きないのと同じく、熊もまた丸っこい身体で駆けるのがおもしろくて、ワクワクしました。

 人間は、たかだか踏み分け道を慎重に歩くしか能がありません。
 熊は自在です。
 山は熊やウグイスやブナなどの栖であり、彼らこそが主人公です。
 人間はこうした自然にとっての勝手な客人であることを痛感しました。
 それらしくふるまわねばなりません。
 帰りに吊り橋を渡る時は、聖地を辞去するといった気持になりました。

 お大師様は、山河で修行を続けた先輩僧のために銘を創られました。
 その一節です。

「一覧 憂いを消し 百煩 自ずから休す ~ 咄呼(アア) 同志 何ぞ優遊せざる」

(ひとたび見渡せば憂いは消え、諸々の煩悩は自然に鎮まってしまう ~ ああ、志を同じくする者よ、なぜゆったりとした時間を過ごせないのだろうか)

 こうした境地にはほど遠く、帰山すればそれこそ山ほどの法務が待っており夜中まで名簿の整理などに追われましたが、ほんの一時とはいえ、確実に脳のリフレッシュができました。実にありがたい「優遊」体験でした。
「船形山遊歩道」はお勧めコースです。




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