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2014
12.09

映画『セヴァンの地球のなおし方』が示すもの ―農民はつぶやく「農業が死ぬ」―

2014120900012.jpg

 平成4年、地球サミットにおいて、12才の少女セヴァン・スズキは、伝説のスピーチを行った。
 それから20年後、母親となったセヴァンは精力的な活動を続けている。
 ジャン=ポール・ジョー監督は、環境ジャーナリストのニコラ・ウロ、農業に従事している思想家ピエール・ラビ、分子生物学者エリック・セラーに教授らと共に、経済優先の世界に警鐘を鳴らす映画『セヴァンの地球のなおし方』を作った。
 その中には、平成12年、シュワブ財団より「世界で最も傑出した社会起業家」の一人に選出された合鴨農法家古野隆雄氏や、福井県今立郡池田町の農婦たちも登場する。
 映画の中に、4人の賢者が農場で食事しながら語り合う場面がある。
 その対話の一部を紹介したい。

「今は機械が人の代わりだ。
 収穫機を買うと政府から補助金が出る、作業員を雇うより安い、機械なら社会保障費も不要だ。
 だが石油問題を考えろ、機械による大規模耕作には未来がない、人の力に戻すべきだ」

「戦後、考案された効率のいい大量生産は古くなったわけだ、少なくともこの地域では」


 人類や環境や子孫を考えて有機農法に戻る人々の間では、機械化によって人間を不要とする大規模農業は今や、「古い」危険なやり方であると考えられている。

「単作や大規模耕作などバカげた考えだ。
 ボース地方やピルカディー地方なら大規模経営を考えるのも悪くないだろう。
 だがここでは複数の作物を作り、近くに出荷すべきだ」

「どの地方でも私は(大規模経営に)賛成できない。
 生物の多様性に対する犯罪に等しい行為だ、単作の話だよ」

「麦、米、トウモロコシ、大豆、世界の食糧生産の6割をこの4種が占め、その半分は米国で開発された遺伝子組み換え作物(GMO)だ。
 大豆とトウモロコシのことだ。
 地球上には3万種の食用作物がある。
 生物の多様性への一番の犯罪は、マイナー品種を絶滅させることだ。
 4大穀物に集中した状態で季候が変動したら、人類を養う食料が確保できなくなる、生物の特許化が進む要因にもなる。
 4大穀物の特許化と生産管理は、経済史上、最大の賭けと言ってもいい


 食べ物といういのちの根になるものを、世界的規模で利益を上げるための道具としている一部金融資本の牛耳るままにさせてよい理由がどこにあろうか?
 遺伝子組み換えを行った食物の危険性が叫ばれるようになって久しいが、食料の寡占化と工業化の危険性は省みられないままである。

「化学肥料を使えば、同じ作物の連作も可能になる。
 連作を嫌う作物を無理矢理、従わせるわけだ」

「農業従事者ゼロを目指す者の理想は、蛇口からデンプンが出てくる世界だ。
 バクテリアさえ遺伝子操作され、タンクの蛇口からトウモロコシが流れ出る、(これが)特許化による未来の農業の姿だ。
 世界の一部の人間に権力が集中する。
 農業の無人化をこのまま推し進めたら、農業が死んでしまう


「農業が死ぬ」とは、何と悲痛な心の叫びであろうか。
 人間の叫びは、生きとし生けるものの叫びでもあるように思える。

週に三回、肉を控えることで、世界の90億人を養える
 乳がんと大腸ガンの原因のほとんどが、動物性脂肪のとりすぎだ。
 動物性脂肪はさまざまな有害物質、農薬やプラスチックの成分を含んでいる。
 人類は大量の有害物質を自然の中に廃棄してきた。
 ローヌ川の汚染が、いい例だ。
 垂れ流しの有害物質が食品に入り、それを食べ続ける(それでいいのか?)」

農業従事者を(有機農場である)ここに呼び戻すということは、つまり、現状への反撃だ。
 人道的行為さ


世界が豊かで美しいのは多様性のおかげだ。
 人類は今、史上最大の危機に直面している。

 あらゆる生物の品種が2割から3割、消滅している。
 昆虫に魚、微生物、ほ乳類など、すべての種だ。
 世界はこの危機を乗り越えられないかも……。
 もし、ピラミッドから3割の石を引き抜いたらどうなる?
 ピラミッドの頂上にいてほかの生物に依存している我々のような種に絶滅の危機が訪れる」


 12月8日付の産経新聞は、京都大学教授佐伯啓思氏の「価値についての議論欠如」を掲載した。
 その中の一文である。

「地方創生にせよ、人口一億人維持にせよ、女性の社会進出にせよ、いまだ具体的な姿が見えてこないし、そもそも成長戦略たりうるのかもわからない。
 まだ何かが欠けているように思われる。
 では何が欠けているのであろうか。
 私には、根本にあるはずの価値についての議論が欠けているように見える。」

「それなりの景気回復を果たした後に、どのような社会を創出するのか。
 その社会像が見えてこないのである。」

「この10年、20年で、どのような社会を実現するのか、その将来像について、ある程度の見通しがなければならない。
 どのような価値に即して将来社会を構想するかという価値選択の問題でもある。」


 私たちはこのまま、「4大穀物の特許化と生産管理」の世界化へ向かう方向を是認してよいのだろうか?
 農業とは本来、その土地の気候風土に適したものを伝統的智慧と方法に学びながら作り、そこで消費してこそ、そこに生きる人々のいのちを養い、同時に心も豊かにする産業ではなかったか?
 自然の恵みをいただき、いのちを育む農業と、商業や工業とは本質的に異なる分野であり、農業が商業や工業の手を借りるに際しては、おのづから節度があるはずではなかったか?
 商業や工業がいのちにかかわる農産品を扱うには、おのづから節度が必要ではないか?
 節度が消える方向へと、このまま進む時、私たちの生殺与奪の権は、「経済史上、最大の賭け」として国際金融資本が握ることになる。
 いったい、誰が、いかなる理由でそれを望むのだろうか?

 私たちはいかなる「価値選択」をしようとしているのか?
 この映画に示される賢者たちの言葉は重い。




 原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
 般若心経の音声はこちらからどうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
 お聴きいただくには 音楽再生ソフトが必要です。お持ちでない方は無料でWindows Media Player がダウンロードできます。こちらからどうぞ。



「のうぼう あきゃしゃきゃらばや おん ありきゃ まり ぼり そわか」※今日の守本尊虚空蔵菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IY7mdsDVBk8





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