12月は師走です。
俳人で信徒総代でもある鈴木悦子さん(仙台市太白区在住)の句です。
鈴木さんは、機関誌『法楽』と新聞『法楽かわら版』へ何年にもわたって俳句を投稿しておられます。(掲載が月遅れになる場合があります)
「黄葉」は銀杏黄葉(イチョウモミジ)であり、銀杏の葉を表す。
舞い散る銀杏を眺めているうちに、枝がどんどん裸になり、繁る銀杏の陰に隠れていた空が顕わになって光景の主人公が黄色の銀杏から蒼い空へと入れ替わるおもしろさが表現された。
「極月」は毎月の交代が極まった月、すなわち師走の別名である。
極まりは「いのちの極まり」をも連想させ、穴へ糸を通しにくくなった針を手にした作者は、自分の心が招いた冥きものをそこに感じて、ふと、作業を止めている。
ひっそりした気配が迫り来るようだ。
嫌なことや早く忘れたいできごともあっただろうが、決して忘れられないみ仏からの贈りものも、多々あったに違いない。
まっすぐで率直極まりない一句には後者への感謝がある。
日向でまどろむ飼い猫が、半眼になったまなざしをこちらへ向けている。
そこには何の不安も疑いもない。
穢れがないのである。
こうした視線をあびると、自然に我が身をふり返った人間の方が「あらら」となったりする。
仏像のまなざしと同じである。
お歳暮の時期になると、配達人は、モノと一緒に感謝を届けるのに忙しい。
自分が感謝を発する人ではないのに、いつしか成り代わって、仕事の「ありがとうございます」へ、それを重ねていたりする。
いつもの挨拶に「いんぎん」を観た作者は、さすがに鋭い。
俳人で信徒総代でもある鈴木悦子さん(仙台市太白区在住)の句です。
鈴木さんは、機関誌『法楽』と新聞『法楽かわら版』へ何年にもわたって俳句を投稿しておられます。(掲載が月遅れになる場合があります)
散り尽す黄葉(モミジ)や空をさらけ出し
「黄葉」は銀杏黄葉(イチョウモミジ)であり、銀杏の葉を表す。
舞い散る銀杏を眺めているうちに、枝がどんどん裸になり、繁る銀杏の陰に隠れていた空が顕わになって光景の主人公が黄色の銀杏から蒼い空へと入れ替わるおもしろさが表現された。
極月(ゴクヅキ)やひそと冥きは針の穴
「極月」は毎月の交代が極まった月、すなわち師走の別名である。
極まりは「いのちの極まり」をも連想させ、穴へ糸を通しにくくなった針を手にした作者は、自分の心が招いた冥きものをそこに感じて、ふと、作業を止めている。
ひっそりした気配が迫り来るようだ。
一月からここまでのできごとを回想している作者の心には何が残っているのだろうか。年逝くや心に残る事多く
嫌なことや早く忘れたいできごともあっただろうが、決して忘れられないみ仏からの贈りものも、多々あったに違いない。
まっすぐで率直極まりない一句には後者への感謝がある。
半眠にひとを見てをり日向猫
日向でまどろむ飼い猫が、半眼になったまなざしをこちらへ向けている。
そこには何の不安も疑いもない。
穢れがないのである。
こうした視線をあびると、自然に我が身をふり返った人間の方が「あらら」となったりする。
仏像のまなざしと同じである。
いんぎんに宅配の人十二月
お歳暮の時期になると、配達人は、モノと一緒に感謝を届けるのに忙しい。
自分が感謝を発する人ではないのに、いつしか成り代わって、仕事の「ありがとうございます」へ、それを重ねていたりする。
いつもの挨拶に「いんぎん」を観た作者は、さすがに鋭い。
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