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2007
04.22

初めて選車に乗った奥さん

 故郷のために役に立ちたいとの一念で政界をめざしたTさんは、勝った負けたをくり返し24年になる。
 特段の財も地盤も看板もなく、それらに恵まれた人々と戦い続けて来た。
 奥さんM子さんは公職にあり、これまで一度も夫と共に戦えなかった。
 他に収入を求めない夫を陰から支え、子供たちを育て上げた。

 無事、定年まで勤め上げたM子さんは、今回、初めて夫の選車に乗り、運動に加わった。
 最後の個人演説会場で、M子さんは泣いた。
 聴衆も泣いた。

「初めて夫と一緒に選車から手を振り、支援者のお宅を訪ねました。
 古くから応援していてくださった方々は、男女を問わず、夫の姿を目にしただけで泣くんです。
 『Tさん』と言ったきり、声になりません。
 その手を握る夫もただ泣きます。
 男は無くものじゃないという時代に育った私は、家庭で一度も夫が泣くのを見たことはありませんでした。
 ああいう姿を見たのは初めてです。

 また、新しい町を創ってくださいという新たな支援者の方々にも励まされました。
 夫に期待をかけ、純粋に支援してくださる方々のまごころに、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。

 20年以上も夫を支えてくださった皆さんのためにも、新たな町を創って欲しいという皆さんのためにも、そして夫のためにも、当選できれば良いなと心から思います。
 本当にありがとうございました」

 聴衆の顔を見ると涙になるのだろう。
 うつむき、そして涙を堪えるように天を仰ぎ、M子さんは訥々と語った。

 M子さんの前に夫が訴えた時には、M子さんが泣いていた。
 そして、M子さんの言葉に夫が泣いた。

 最後に揃って頭を下げる二人を励ます万雷の拍手は鳴りやまず、二人は何度も何度も腰を90度に折った。
 こうしてM子さんの短い5日間は終わった。

 会場を埋め尽くした聴衆を送り出してから、M子さんは述懐した。
「私はこれまで、常に立場を持った人間として皆さんと接して来ました。
 しかし、夫は無職で、何もない一人の人間です。
 何者でもない一人の男を心から信じ、期待し、励まし、応援してくださる皆さんの心は、ただただありがたく、感動し感謝するだけでした」

 今夜、結果が出る。
 夫婦の願い、無心に集い戦った皆さんの願いが叶って欲しいと思う。




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