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2011
01.27

NHK文化講座「生活と仏法」講義録 64 ―『法句経』─

 1月26日、NHK文化講座生活と仏法」において受講者の皆さんと対話を行いました。
 教材は『法句経(ホックキョウ)』の教学品(キョウガクホン)第二の教えです。

正見(ショウケン)にして、学び務めて増やさば、是(コ)れを世間の明(ミョウ)と為(な)す。
 所生の福千倍し、終(ツイ)に悪道に堕せず」

(正しいものの見方を学び、精進すれば、世間を照らす明かりとなり、ついには覚者ともなる。
 福はいや増し、決して地獄などの悪道に堕ちない)

 釈尊は、を脱する生き方として「八正道」を示しました。
 身体と言葉と心を正しくする8つの道です。
 その最初にあるのが「正見」です。
 正しいものの見方ができなければ、正しい考えも、正しい言葉も、正しい動きもあり得ません。
 正見には3つのポイントがあります。

①ありのままに観ているか。
 歪んだ鏡や汚れた鏡は、決してありのままの風景を映し出しません。
 同じように、自己中心の心で現象世界や自分の心を観れば、決して自他を幸せにする正しい生き方はできません。
②取り違えや顚倒はないか。
 心が曲がっていれば、相手の善意を悪意と解釈したりします。
 あるいは気まま勝手な希望的観測をしていると、意のままにならず、周囲とあつれきを起こしたりします。
③極論や極端に走ってはいないか。
 釈尊は、気ままに生きれば煩悩の火で焼かれ、自分を責める行に生きれば心は解放されないことを熟知していました。
 極端に走らず、心身をきちんと調えれば心もおさまり、智慧や慈悲が生じて正しい生き方ができます。
 また、「~は所詮、~である」と決めつけてしまえば思考停止になり、発展も対話もありません。
 極論は逃避であり、対立を生みます。

「小道(ショウドウ)を学びて、以(モッ)て邪見(ジャケン)を信ずること莫(ナ)かれ。
 放蕩(ホウトウ)を習いて、欲意を増さしむること莫(ナ)かれ」

(外道を学び、正しいものの見方に背くものを信じてはならない。
 放蕩にふけり、煩悩のままになってはならない)

 釈尊の時代は、およそ考えられる限りの哲学的・宗教的命題が議論され、主張され、さまざまな修行も行われていました。
 そんな中にあって、釈尊は「自分もやっと過去の覚者が到達した地点に立った」と考え、正見などに反する主張や宗教を外道としました。
 注目すべきは、釈尊が「道理をもって判断せよ」と説いていることです。
 釈尊は決して預言者ではなく、煽動者でもありません。
 それは、次の言葉が証明しています。
「焼いて、切って、擦って、それが金であるかどうかを吟味するように、僧侶と智者は私を尊敬するがゆえに私の言葉を採用するのでなく、それを充分に吟味することによって私の言葉を採用しなければならない」。
 天下万民が道理・論理をもって判断し、誤っていないと確信したならば教えを採用しなさいと説きました。
 仏教は、預言やお告げで縛る宗教とはまったく異なっています。

 ちなみに、仏法を理解する観点は、四依(シエ)とされる以下の4つです。

①説く人ではなく、教義によって判断すること。
②教義は、書かれている言葉でなく、示している意味によって判断すること。
③意味は、さまざまな解釈ができるレベルでなく、複数の解釈が成り立たないレベルによって判断すること。
④普通の知恵でなく、仏法の智慧に依って判断すること。

 質疑応答では、いろいろな意見が出ました。
「余生を与生と考えようと主張する話を聞きました。
 与えていただいたいのちという意識で生きれば、年配者の心も豊かになるのではないでしょうか」。
「いくら仏法を学んでいても、困難な状況にぶつかり、『どうして自分だけがこんな目に遭うのか』と袋小路へ入る場合があります。
 諸行無常、おかげさま、おたがいさま、などが実際に役立つよう心を鍛えることは簡単でありません」。
「『日にち薬』という言葉があります。
 辛い思いになっても、学びながらじっと堪えているうちに時が過ぎれば、薬を服用したかのように回復できます。
 時が経つのは、死へ向かっているとはいえ、ありがたいことです」。

〈払暁の空を自由に翔るもの〉

230126 0092




「おん さんざんざんさく そわか」※今日の守本尊勢至菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。





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2009
03.11

NHK文化講座『生活と仏法』について

 以前、「NHK文化講座生活と仏法講義録 27 ―これまでとこれから─」において「2月25日の法話をもって、平成13年10月1日から続いていた『法句経』を柱とした講座にピリオドを打ちました」と書きましたが、訂正し、文章を書き換えました。
 これからも継続しますので、どうぞよろしくお願いします。
2008
06.03

NHK文化講座 ―生活と仏法―

 身近なできごとを通じて、み仏の教えを学びます。
 教材は、釈尊の説法がそのままの形で残された最も古い経典の一つ『法句経』などです。
 身近なできごとにも目を向け、質疑応答を交え、楽しく、真剣に、「まっとうに生きる」道を考えましょう。

一 日 時 平成20年6月11日(水)午前10時より12時まで
       平成20年6月25日(水)午前10時より12時まで
一 場 所 NHK文化センター仙台・泉
        宮城県仙台市泉区泉中央1-7-1泉中央駅ビル(スウィング)6階
        022(374)2987
一 主 催 NHK文化センター
一 申 込 NHK文化センター
2008
01.30

NHK文化講座 ―生活と仏法―

 身近なできごとを通じて、み仏の教えを学びます。教材は最も古い経典とされる『法句経』などです。身近なできごとにも目を向け、質疑応答を交え、楽しく、真剣に、「まっとうに生きる」道を考えましょう。

一 日 時 平成20年2月13日(水)午前10時より12時まで
       平成20年2月27日(水)午前10時より12時まで
一 場 所 NHK文化センター仙台・泉
        宮城県仙台市泉区泉中央1-7-1泉中央駅ビル(スウィング)6階
        022(374)2987
一 主 催 NHK文化センター
一 申 込 NHK文化センター
2008
01.24

お焚き上げをし忘れた古いお札

 この時期になると、古いお札などの処置をし忘れたという方からのお焚き上げ依頼があります。
 病気や出張といったやむを得ない事情の方も、うっかりした方も、あるいはずぼらにしていて後から不安になってしまったという方もおらます。
 いずれにしても、きちんとすべきことはきちんとしておく生き方が大切であり、時期遅れになってもお焚き上げをすべきです。

 放っておけばが当たるかどうかについては、『NHK文化講座講義録7 ―仏法の基本その2―』に書いた山岡鉄舟の故事をお読みください。
 何もおどろおどろしい話や、霊感などを持ち出すまでもなく、ものの道理として理解できることでしょう。

 また、不安は非常に大切な感覚であり、そこには生き方への警告や、生き方を変えるヒントが隠されていたりするものです。
 良心からの警告や仏神からの誘いだったりするということです。
 そうしたものを無視したり蹴っ飛ばしたり、あるいは後ろ向きだとバカにしたりして、ただただ「前向きに!」と突進するだけでなく、こうした「兆し」を大切にしてこそ、人生を深められるのではないでしょうか。
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