極楽
あまりに嬉しいことがあると泣きたくなりますが、ちょうどそういった顔で「夫は今、とても喜んでいます。羽がはえたように浮き浮きしています」と言われます。
続けて、「お不動様の剣と、お大師様の五鈷杵(ゴコショ)がとても耀いています」。
振り向くと、どんよりした空模様の下で湿った空気に満たされた本堂なのに、その金色の鮮やかさはあまりに際立っています。
不動明王の剣は、智慧に導かれず我欲や妄想によって動かされる人の迷いを断ち切るものです。
お大師様の五鈷杵は、あらゆる智慧の源である「五智」を司る五智如来の徳を発揮し、迷妄を破るための法具です。
とても人間味にあふれた亡きご主人も、奥さんも、何かが吹っ切れたのでしょう。
奥さんの泣き笑い、そしてご主人の「浮き浮き」。
悲嘆の向こうにある極楽をかいま見ました。
ほめる 5
このページを作るのが大変だろうと、篤信の方がわざわざメールで送ってくださいました。
頭が下がります。
勉強会などを通じて、ご縁の方々へご紹介しており、寺子屋の指針にさせていただきたいと願ってもいます。
二年 K・K
きのう、学校からの 帰り道、黄色いはたをもって、おうだんほどうを わたろうとしたら、はたが、たおれていました。
ぼくは、そのはたを、きちんと、もとのところへ、入れておきました。
そして、「いいことをしたんだなあ」と 思いながら、おうちへ帰りました。
◆
けんごくん、ほめほめありがとう。
いっしょうけんめい、きれいな字を書いているので、もういっぺん うれしかったよ。
学校の帰り道、おうだんほどうの ところで、黄色のはたがたおれていたので、もとあったところへ、きとんと入れておいてくれたんだね。
よく気をつけてくれましたね。校長先生がときどき みまわりをしてみて きづくことは、おうだんほどうの 黄色いはたが、散らばったり、なくなったりしていることです。
わたしたちの いのちをまもってくれる、たいせつなはたですから、みんなで たいせつにしましょうね。
いたずらをしている人をみたら、やさしくちゅういしてあげてくださいよ。
「いいことをしたんだなあ」と思う気持は、けんご君を自然に悪行から遠ざけるはずです。
善悪は示しながらも暴力シーンが満載のゲームやテレビ番組が子どもたちをワクワクさせ、善悪をそっちのけにした暴力的行動へ駆りたてるのとは天地の違いです。
心の傾向の核が創られる時期には、相応の環境が与えられ、相応の指導がなされねばならないのに、現状は悲劇的とすら思える状況です。
すべては欲望の無限解放と、対象者を選ばない商業主義にあります。
大人が我欲のままに生き、まだ自分を自分で確立できない子どもたちの我欲を無制限にかき立ててまで儲けの対象としてはばからない人びとは、タコが自分の足を喰うように自分の老後から安心を奪い続けています。
一人で強く生きられない老人を支える人びとが非情であったなら、老人の安心はどこにもありはしません。
子どもたちへ悪しき環境を与え、与えるべき教育を施さなければ、それはやがて大人となる子どもたちにとって悲劇であるだけでなく、義務を果たさなかった大人たちにとっても悲劇であることを忘れないようにしたいものです。
子どもたちが善行に満足と喜びを覚え、それに感謝が加わるようであれば、すべての人びとにとって未来の安心は確かなものになりましょう。
二年 K・S
わたしが、一年生の、女子べんじょに いきました。
大きなうんこが、はみでていて、ながしてありませんでした。
わたしは、じぶんのをすませて、そうじどうぐを とりにいきました。そして、うんこを 中にいれて、水をながしました。
うんこがながれて、きれいになりました。
それから、この前の、木ようしゅうかいのとき、校長先生は、うんどうじょうに、しんぶんがおちていたのを、ひろっていましたね。
わたし見たんよ。
校長先生、いいことをしたね。
◆
かずみさん、
ほめほめのお手紙、ありがとうね。
校長先生は、ほめほめを書いてくれる子が大すきです。
よしおか先生との、おやくそくをまもって、トイレをきれいにしてくれたんですね。
女子べんじょに、うんこが はみでていたんよね。それで、そうじどうぐを もってきて、中にいれて、水をながして、きれいにしてくれたのね。よくやってくれましたね。気もちわるかったでしょう。校長先生からも、おれいをいいますよ。「かずみちゃん、ごくろうさま。」
校長先生の ごみひろいより、うんとうんと、たいへんなおしごとでしたね。
こんど、かずみちゃんひとりで、できないようなことがあったら、校長先生に おしえてくださいね。おてつだいするからね。これからもがんばってね。
かずみちゃんが校長先生の行為を見ていたように、自分が善きことを行う心になっていれば、他人の善行にも意識がはたらきます。
自分が悪しきことを行う心になっていれば、他人の悪行へも興味津々になります。
創造につながる想像力がはたらくか、破壊につながる妄想力はたらくか、それは自分の心と環境によります。
7月16日、多賀城市などの少年たちが決闘と傷害の疑いで逮捕、送検されました。
テレビの決闘シーンなどに感化された少年らは、ささいなことから決闘を企て、「殺せ」などと叫びながら乱闘に及び、負傷者を出したものです。
他人の心身の痛みを想像する思いやりが欠如し、思いのままに暴力をふるう妄想が肥大して起こった愚行です。
「かずみちゃん」を育てる環境は失われたのでしょうか。


