宮床開運守本尊 大師山 法楽寺 〜法灯により法友とともに法楽に住せん〜

2008-07

自殺をした方の行く先

 これからお葬式が始まるという直前、寺院控え室へご遺族のお一人が来られました。
 どうしても訊ねたいことがあると真剣そのものです。
 居住まいを正して耳をかたむけました。
「以前、テレビで、Hさんが自殺者は地獄へ行きますと断定している場面を見て、ショックを受けました。
 主人が自殺していたからです。
 それ以来、毎日ちゃんとお線香などをお供えして手を合わせていても、地獄へ行っているんだろうなあと思うと、心が安まりません。
 どうしたら良いでしょうか?」

 Aさんのご主人は、社会的責任の重い仕事に就いて熱心に励み、何一つそられしいそぶりは見せないまま逝きました。
 妻へのありがとうはあまり言わないけれども、親のことについて何かあると、必ず「ありがとう」をつけ加えた人でした。
 逝くための準備は見事でした。
 ただし、遺書はとても短い一言だけだったそうです。
 Aさんは「まだよくは解りません」と言われますが、そこは人生を伴にした仲ですから、だんだんにお判りのことでしょう。

 さて、「地獄行き」の件ですが、とんでもない妄言です。
 私たちは、こうして生きている今、あるいは人間界で迷い、あるいは修羅界で争い、あるいは地獄界で呻いています。
 地獄を含む「六道」はまさにこの世にあり、一番大事なのは、それと真摯に向き合い解決のために適切な手段を用いることです。
 自殺するほど追いつめられていた方は地獄や修羅の苦しみにあったのかも知れません。
 しかし、当然のことながら、あの世で地獄へ行くとは限りません。
 脱するため、あるいは脱していただくための手段があるからです。
 
 お地蔵様のお経や観音様のお経はもちろん、たくさんのお経に「いかなる境遇にあっても必ず救う」とあり、当山では、毎日そうしたみ仏のご加護をいただく修法をしています。
 生きながらにして地獄を見た方々がどんどん救われています。
 現に、私自身が「ここしかない」というほど強烈なお力によって地獄から生還する道を教えていただき、ここまで来ました。「おかげさま」は確かなのです。
 正式な葬儀法でみ仏のお慈悲に導かれ、ご遺族の供養が極楽への清らかな追い風となっている御霊です。
 地獄に迷っているなどということは断じてあり得ません。
「ちゃんと法が行われていれば、四十九日は薬師如来様、百カ日は観音様、三回忌なら阿弥陀如来様がお守りくださっているのですから安心ですよ」と申し上げました。
 薄い膜がはがれたように生気の滲んだお顔になったAさんは、「大丈夫なのですね。やっと安心しました」と辞去されました。

 全知全能ならぬ人間は、意識するとしないとにかかわらず、必ずなにがしかの不安を抱えています。
「〜はいけない」といった怖れさせるものが流行るのはそのせいです。
 不安は「〜してはいけない」と言われて表面化し、それに従って「〜をやらない」ことによって安心に変わります。
 この一連の流れが虚実・善悪・正邪は別として強烈な印象を残します。
 身近なできごとを題材として利用し、見る人聞く人へこうした印象を上手に与え続けることによって、印象を繰る技術に長けているものは、ますます流行るのです。
 餌食になるのは、すなおな人たちです。
 最近の日本で占いがブームになっているのは、誰でもがとにかく生きられる時代になり、モノにも不自由しなくなり、欲しいものは刺激だけになっているせいかも知れません。
 不安をかき立てられるのも、刺激を与えられたことになるからです。
 人間にとって最も大切なのは善悪の区別です。
 それなくして次々とやって来る刺激に対しては、虚実・善悪・真偽を判断する智慧をもって立ち向かいましょう。
 どうしても不安になったり疑問が残ったりした場合は、それぞれの道のプロの智慧を借りましょう。
 さればこそ、虚空蔵菩薩も、文殊菩薩も、不動明王も智慧の剣を持っておられるのです。

法楽寺のサイトも是非ご覧ください


テーマ:伝えたいこと - ジャンル:日記

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