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2014
05.04

火の奧に牡丹崩るるさまを見つ

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〈『木香舎』家具職人増野繁治氏の聖地 4〉

 昭和20年5月24日、東京は大空襲となり、40才の加藤楸邨(シュウソン)は、病弱な弟を背にして我が家から脱出する。
 去りがたくふり返った眼に、業火(ゴウカ)の奧で崩れ去る牡丹が映った。

「火の奧に牡丹崩るるさまを見つ」


 いのちがけの場面でなお、観るべきものを観る俳人の眼力と胆力は凄まじい。

 焼夷弾が放つ炎の中で、牡丹は影絵のように真っ黒な姿となり、重い花からバラバラと崩れ落ちたのだろうか。
 国文学者でもある俳人加藤楸邨は、そこに人間の姿も観たのではなかろうか。
 翌朝、氏は詠んだ。

「明易き(ケヤキ)に記す生死(ショウジ)かな」


 夏のことゆえ、夜が明けるのは早い。
 悪夢の一夜を生き延びた氏は、早朝に一本のの樹を観る。
 おそらく、たくさんの葉をつけ空中に広々と枝を伸ばしていた大木は、ほとんど焼け焦げた幹のみとなって屹立していたのだろう。
 生も死もそこにある。

 氏はその6年前、日本が第二次世界大戦へ突き進む勇ましい空気の中で詠んでいる。

「梅雨の間の夕焼誰ももの言ひやめ」
「蟇(ヒキガエル)誰かものいへ声かぎり」
「世に遠きいかり兜虫ずりやまず」


 もはや誰も戦争を止められず、梅雨の合間に夕焼けを眺める人々の口は閉ざされたままである。
 しかし、氏の胸には言わずにおられないものがある。
 天地へ響き渡るヒキガエルたちの声にそれを託す。
 ズズッ、ズズッと重い身体を引きずって歩くカブトムシの懸命な姿に、やり場のない怒りを託す。

 やがて、アジアへ侵攻していた日本はアメリカの侵攻を受け、日本にも業火に焼かれる地獄が現出する。
 俳人は、崩れ去る牡丹に、一足早く日本の崩壊を観ていたのだろう。
「火の奧に牡丹崩るるさまを見つ」
 忘れられない一句であり、忘れてはならない一句であると思う。




 原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
 般若心経の音声はこちらからどうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
 お聴きいただくには 音楽再生ソフトが必要です。お持ちでない方は無料でWindows Media Player がダウンロードできます。こちらからどうぞ。



「おん あみりたていせい から うん」※今日の守本尊阿弥陀如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=4OCvhacDR7Y





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