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2014
10.18

ご葬儀や埋骨をどう行えば安心か? ―慣習や習俗を超えて―

201407120011

 遠くにある墓地改葬に共通する悩みがあります。
墓地のそばにいる一族の宗派と違う寺院のお世話になるのは反対だという声が上がっています。
 このまま父母を移すと、親族からお墓参りしてもらえないかも知れません。
 私自身は宗派に対するこだわりを持っていないのですが……。
 困りました」
 考えるポイントをいくつが挙げておきます。

1 葬送慰霊供養などは本来、まぎれもなく宗教行為であり、どこかで習俗や慣習を超えたものであること。

 私たちの生活のほとんどは、〈これまでやってきたこと〉の延長線上にあります。
 正確に言えば、〈これまでやってきたこと〉を踏まえずに行えることは何一つありません。
 言葉そのものがそうです。
 いろは五十音図はお大師様の弟子たちが作ったとされていますが、今、日本で使われている膨大な日本語の体系を創ることのできる人間はいません。
 なぜなら、人間の思考と生活の積み重ねにあって洗練され、深められてきた過去の時間(歴史)に代わり得るものはないからです。
 そして、思案も決断も発見も言葉によって行われる以上、いかに独創的なひらめきであれ、必ず過去の何かに立っているはずです。

 だから、習俗や慣習を「古い」と決めつけ、頭から否定するのは自分で自分の足を踏むような行為であり、頓珍漢(トンチンカン)な考えと言うしかありません。
 たとえば、祖父も担ぎ、父も担いだ御神輿(オミコシ)を自分も担いだ時、確かな何かを感じることがあるのではないでしょうか。
 東日本大震災の後、あちこちで〈祭の復活〉が求められました。
 老いも若きも涙と歓喜の中で祭を行った時の気持をお聴かせいただいたことがあります。
「これで生きられると思いました」
 たとえば、西馬音内(ニシモナイ)盆踊りを観た方からお聴きしました。
「土地の古老から、昔、とても慈悲深い領主がおられ、その方の慰霊が盆踊りの淵源だと教えられました。
 領主は特段、歴史に名を残さず、今、踊る人たちも領主を意識してはいませんが、飢饉に苦しみつつ子孫を残してきた先人たちの、亡き領主に対する感謝と慰霊の歴史がこの踊りへ陰影に満ちた色合いを与えていると知って、一層、興趣が深まりました」
 お墓を守り、受け継いできたものを守ろうとすることには、金銭に換えられない価値があります。

 その一方で、実際に葬送慰霊を行う行為は、行う人にとって重要な宗教行為です。
 人をあの世へ送るということの重大さは、経験者でなければ、なかなかわからないかも知れません。
 そこには膨大で非日常的な何ものかがあり、すべてを言葉にすることはほとんど不可能です。
 送るという行為は、必ず〈送った相手との時間〉を生みます。
 その時間が〈自分の時間〉と溶け合って〈人生の時間〉となるために、数年を要する方もおられます。
 こうしたことごとは、真剣に向き合うならば、これまでやってきたからというだけでは行いきれません。
 習慣だからと形をなぞるだけでは済まされないのです。
 あるいは、今は簡単にやっても構わない時代だからと風潮に乗るだけでは済まされないのです。
 送り、供養する一人一人が、自分の良心から問われます。
「本当にこれでいいのか?」
 行為が、細切れになっている日常の時間ではなく、永遠へ連なる宗教的時間を相手にするものであることに、無意識のうちに気づかされます。
 人を送るとは〈永遠に〉送ることです。
 人を供養するとは〈永遠に〉供養することです。
 今の〈瞬間に〉送り、供養する行為のみにとどまるものではありません。
 手順をなぞり、簡便に済まそうとすれば、瞬間の問題であり、日常生活的行為です。
 自分の人生観をかけ、良心と対話しながら行えば、永遠の問題すなわち宗教の問題なのです。

 だから、たくさんの方々が日常的思考だけではなかなか結論が出せず、宗教の場である当山へ日々、ご来山されます。

 では、習俗や慣習から宗教的行為へと、どのように超えてゆけばよいのか?
 次回にお話を進めましょう。




 原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
 般若心経の音声はこちらからどうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
 お聴きいただくには 音楽再生ソフトが必要です。お持ちでない方は無料でWindows Media Player がダウンロードできます。こちらからどうぞ。



「おん あみりたていせい から うん」※今日の守本尊阿弥陀如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=4OCvhacDR7Y





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