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2015
01.17

仏教を身近に感じてもらうにはどうすればよいか

201501170001.jpg

 経営者Aさんから人生相談があった。
「社員へ教的な素養をつけさせたいのですが、どうしたものでしょうか?」
 お答えした。
「そうですね。
 歴史や理論などについて聴いていただくよりも、みを身近に感じる経験をしていただいく方が役立つかも知れませんね。
 教に興味のある方々はすでに、お寺巡りや巡礼や文化講座など、熱心にやっておられますからね」

 こんな例を挙げた。
 当山で読経を勧められたBさんは、毎日、熱心にやっているうち、ふと、疑問が起こった。
 朝は、ご本尊様とご先祖様へ「今日も一日、しっかりやります。どうぞお見守りください」と願い、夜は、「今日も一日、おかげで無事に過ごせました」と感謝しているが、誰かから聞いた一言が妙に、気になり出した。
は供養せよ。には願え」
 ――様に願いをかけてはいけないんじゃなかったかな……。
 そして当山へご来山され、お答えした。

「ご本尊様としてお導きくださるみとは、まず、悟りを開いた方です。
 人間が生き、死ぬ上での根本的な智慧と、人間らしく生きるための慈悲をすっかり兼ね備えたのです。
 いわば人間の理想像なので、そうした方へ憧れ、目標とするならば、それはすなわち〈あのようにありたい〉という願いをかけていることに他なりません。
 私たちが至心にご本尊様の前に額づくならば、無意識のうちにもう、清らかな願いをかけているのです。
 その延長上で具体的で身近なさまざまな願いが生じます。
 四国八十八か所の霊場がすべて祈願寺であるのを見てもわかるとおり、み仏へ願いをかけるのはごく自然な心のはたらきというしかありません。

 次に、私たちより先に、み仏の世界へ還り御霊となった方々について考えてみましょう。
 やがて貴女が年老いてあの世へ行く時、どんな気持でいるか想像してみてください。
 この世にいる夫や子供や孫や友人などの幸せを願い、この世が平和であるよう願ってはいないでしょうか?
 そして、あの世に行ったならば、きっと、同じ気持でこの世の人々を見守り、見ていられない時は手助けをしたいと思うことでしょう。
 私にはそうしたイメージ以外のものは想像できません。
 ならば、私たちが御霊を想う時、お見守りください、お助けください、と願うのは当然ではないでしょうか?
 み仏は私たちの故郷であり、親です。
 時として、み仏となった御霊へ幼子のようにまっさらな心でおすがりするのは尊い姿です。
 そして、この姿は、社で様へ祈る姿と何ら変わりはありません。
 み仏へ願いをかけるのはごく自然な心のはたらきというしかないのです」

 また、こんな例も挙げた。
 Cさんは経典を読誦しているうちに、自分の心がどこにあるかわからなくなった。
 娘が受験合格するよう、娘の一代守本尊である千手観音様へ祈っていたのだが、願いと経文の内容が交錯したという。
 お答えした。

「順番をはっきりと意識すれば大丈夫です。
 まず、心にイメージする千手観音様のお像や梵字へ、娘さんの受験合格をしっかり祈ってください。
 そして、経文や真言を唱え始めたならば、一心不乱に経文や真言と一体になるのです。
 そうしている中で、合格を思うのは、今夜のおかずを何にしようかなと考えることと同じく〈余分な夾雑物〉でしかありません。
 貴女が唱えつつ千手観音様の世界へ近づけば近づくほど、入りこめば入りこむほど、貴女自身が清められ、願いはきっと、より届きやすくなっていることでしょう。
 お経を唱える際の『お次第』があるのは、このように、ものには順番があるからなのです。
 まじめにやっていると、必ず自分の姿、自分のやっていることが見えきます。
 そして疑問が湧いてきます。
 それは一段、深く学び、深く血肉にするチャンスです。
 どうぞ、これからもお励みください」
 
 こうした〈現場の真実〉に耳を傾けていただき、何かを感じとられた上での質疑応答や、あるいは参加者同士の討論などがあれば、きっと内容のある時間になることだろうとお話し申しあげた。
 Aさんは何度も頷かれたが、さて、どうなることか。




 原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
 般若心経の音声はこちらからどうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
 お聴きいただくには 音楽再生ソフトが必要です。お持ちでない方は無料でWindows Media Player がダウンロードできます。こちらからどうぞ。




「おん さんまや さとばん」※今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0





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