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2015
04.26

6年目の納骨と生き直し ―阿閦如来(アシュクニョライ)のお導き―

201504260001.jpg

 亡きご子息の七回忌を迎えるAさんが久々にご来山された。
「ようやく決心がつきました。
 納骨をさせてください」
 お墓を建て、ご子息が描いていた夢の世界を表現したかったが、断念し、共同墓法楽の礎』二人分の契約をされた。

 6年前のあの日からAさんは落胆のあまり体調を崩し、安定した仕事になかなか就けなくなった。
 それでも幾度か〈一念発起〉を繰り返し、福祉関係の資格も取得したが、生活の維持は困難を極めた。
 四十九日忌、一周忌、三回忌と納骨の機会はありながら、とうとう、お墓を造ることは叶わなかった。

 一ヶ月ほど前、七回忌供養会の日程を申し込まれたAさんへ、電話口でお伝えした。
「七回忌をご守護くださるのは阿閦如来(アシュクニョライ)様です。
 三回忌はゆっくりと安心世界で憩う西方浄土の阿弥陀如来様でしたが、阿閦如来(アシュクニョライ)様は太陽が昇る方位である東方の浄土におられる方なので、私はいつも、ああ、転生(テンショウ)になるのだなあと思いながら修法を行っています。
 ようやく、悟りの境地を固め、煩悩(ボンノウ)の誘惑に負けない御霊となったので、今度は以前よりもしっかりした存在としてこの世へ修行の旅に来る準備を始めておられるはずです。
 供養会では、Aさんのまごころでしっかり後押ししてください」

 暗い顔でご来山されるAさんはいつも、多くを語らない。
 今回も言葉は訥々(トツトツ)としている。
 しかし、対坐して契約内容の説明を受け、「はい」と答えるうちに、かがんでいた胸が少しづつ開かれ、前へ落ちていた肩が上がり、萎んだ花のような気配が消えて行く。
「わかりました。
 お願いします」
 契約書に黙々とサインし終わり、あまり大きくないため息を一度ついた。
 そして、言葉を紡ぎながらゆっくりと頭を上げる。
「ようやくここまで来ました。
 これで私もちゃんと生きられそうです」
 50才前の女性らしく、いのちの勢いが感じられる顔の光と声の潤いだった。
 初めて感じる明るさだった。

 お骨を目の前に置きながら暮らしてきたAさんの日々が偲ばれ、声をかけた。
「――長かったですね」
 反応は早かった。
「でも、私にはこの年月が必要だったのでしょう」
 そこにあったのは諦念(テイネン)ではない。
 生き直しを始めた一人の人間が発するいのちの力だった。

 Aさんはこれから、善悪こもごものカルマを積みながら新たな人生を歩まれることだろう。
 ダライ・ラマ法王が説かれるとおり「どのようなカルマが積まれるかということを決定する鍵は、それぞれの人の動機にある」(『実践の書』より)のなら、この先、当山の祈りは二つとなる。
 一つは、ご子息の御霊の供養とよき転生(テンショウ)、そしてもう一つは、Aさんに嬉しく善き〈動機〉がたくさん生ずること。
 やはり、行き着くところは「あの世の安心とこの世の幸せ」である。
 ご納骨がその二つを確たるものにするよう、しっかりと法を結びたい。




 原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
 般若心経の音声はこちらからどうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
 お聴きいただくには 音楽再生ソフトが必要です。お持ちでない方は無料でWindows Media Player がダウンロードできます。こちらからどうぞ。



「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA





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