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2015
07.17

国会は〈説明〉を行う場なのか? ―聖徳太子と明治天皇―

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 7月15日、安全保障関連法案に関し、安倍総理が衆院特別委員会で「まだ国民の理解が進んでいる状況ではない」と答弁して間もなく、与党だけの採決が行われた。
 国権の最高責任者から発せられた言葉と、国権の最高機関が重みを持たなくなった象徴的できごとである。
 次いで、16日の衆議院本会議において自民、公明などの賛成多数で可決された。
 国会内外では、自民党議員も含め、「説明が足りない」の大合唱である。
 しかし、考えてみれば、説明責任が大きく問題にされること自体、国会が形骸化している証左ではないか。
 そもそも国会は、政府が提出する法案の趣旨説明と採決だけが行われればよいのだろうか?

 日本国憲法第四十一条は定めている。

「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」


 それは、国会が他の機関の関与を受けず国の立法権を独占することを内容としている。
 なぜならば、国会の議決には主権者たる国民の意志がもっとも確実に反映されると期待されているからである。
 選良たる議員の選び方や資質といった問題はさておき、国会は何を行うことによって責務をまっとうできるのだろう。
 それは何をさておいても公開された公正な論議に尽きるのではなかろうか?

 今からおよそ千四百年前、聖徳太子が定めた『十七条憲法』の第一条はこう始まる。

「和を以(モ)って貴しとなし、忤(サカラ)うこと無きを宗(ムネ)とせよ」


 親和に満ち、対立や争いのない国を目ざそうという。
 第一条はこう結ばれる。

「上(カミ)和(ヤワラ)ぎ下(シモ)睦(ムツ)びて、事を論(アゲツラ)うに諧(カナ)うときは、すなわち事理おのずから通ず。何事か成らざらん」


 理想の国づくりは、地位の上下に関わりなく協調と親睦を旨とした議論が正々堂々と行われ、誰もが納得できる道理に即した結論を得ることによって可能となる。
 最後の第十七条である。

「それ事(コト)は独(ヒト)り断(サダ)むべからず。必ず衆とともによろしく論(アゲツラ)うべし。
 少事はこれ軽(カロ)し。
 必ずしも衆とすべからず。
 ただ大事を論うに逮(オヨ)びては、もしは失(アヤマチ)あらんことを疑う。
 故に、衆とともに相弁(アイワキマ)うるときは、辞(コトバ)すなわち理(コトワリ)を得ん。」


 独断専行せず、広く衆知を集めて議論を行い、些細なことならばいざ知らず、特に天下国家の大事に関しては、行く道を過たぬよう細心の注意をはらわねばならない。
 だから、お互いに相手の言葉をよく聴き、誠意ある論議を尽くし、道理に背かぬ合意を形成できるよう努力せねばならない。

 また、明治天皇の「五箇条の御誓文」の第一番目である。

「広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スベシ」


 第二番目である。

「上下心ヲ一ニシテ盛ニ経綸ヲ行フヘシ」


 昭和21年、敗戦後の日本が日本国憲法草案を論議する衆議院本会議において、首相吉田茂は、こう述べた。

「日本の憲法は御承知のごとく五箇条の御誓文から出発したものと云ってもよいのでありますが、いわゆる五箇条の御誓文なるものは、日本の歴史・日本の国情をただ文字に表しただけの話でありまして、御誓文の精神、それが日本国の国体であります。
 日本国そのものであったのであります。
 この御誓文を見ましても、日本国は民主主義であり、デモクラシーそのものであり、あえて君権政治とか、あるいは圧制政治の国体でなかったことは明瞭であります。」


 このように、私たちは、道理をもとに論議し、納得を求め、最後は親和をもって手を携え、一致協力してことに当たろうとする文化を育ててきた。
 この文化こそが、大和の国日本らしい平和の礎と言えるのではなかろうか。
 国会は、政府の作った法案が無謬であるとの前提に立った一方的説明で済ませる場ではない。
 一定の説明時間が過ぎたなら何でも可決できるわけでもない。
 全国会議員がそれぞれ国民の代表であるという意識に立った誠意ある論議を重ね、機が熟して訪れる〝その時〟に国民の納得を得て議決するのが理想ではなかろうか。
 以上の理由から、世論の方向を知っていながらそれと明らかに反する内容である法案の採決を急ぎ、採決後も説明して行けばよいとする姿勢には大きな疑問を持つ。
 また、国民も、国会へ政府の〈説明〉ではなく、争点と結論への道のりを明確にする〈論議〉を求めるべきではなかろうか?
 国会の形骸化はまことに恐ろしい。




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「おん さん ざん ざん さく そわか」※今日の守本尊勢至菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。

https://www.youtube.com/watch?v=qp8h46u4Ja8





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