--
--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2015
10.07

煩悩が救済力に転換する ―五秘密尊の深意―

2015100600022.jpg
〈真ん中が金剛薩埵、左から欲、触、愛、慢の妃〉

 煩悩(ボンノウ)のエネルギーが自他を救う清浄な力へと転換する様子は『理趣経(リシュキョウ)』の最後に説かれる。

 17段(章)になっている『理趣経』の最終段では「五秘密尊」が説かれている。
 男性尊である金剛薩埵(コンゴウサッタ)へ、「欲」「触」「愛」「慢」の女尊が寄り添う。
 その図は、四苦八苦に苦しみ惑う〈現実世界〉が、そのままに、安楽に満ちた〈悟りの世界〉であることを示している。
 問題はただ一つ、心の転換を起こし、真実世界を感得できるかどうかである。

 さて、女尊は以下のとおり。
・金剛欲明妃…愛欲の矢と射る。
       異性を欲するように、自らが苦を脱し、同時に他者をも救おうと欲する。
       危険な状態に気づかず、なかなか理解しない相手をも必ず救う。
・金剛触明妃…手を差し伸べる。
       異性に触れて相手を確認するように、悟りを体得し、他者を救う。
       迷い、苦しみ、傷ついた相手を抱きしめるように安心させる。
・金剛愛明妃…貪欲な怪魚マカラを付けた幡を持つ。
       異性を愛するように、他者への慈愛を募らせ、愛おしむ。
       相手の状態にかかわらず、苦や穢れを一緒に引き受け必ず癒す。
・金剛慢明妃…両手を堅固な拳に握る。
       異性との愛に満ち足りていのちの炎を燃やすように、いっそう、慈悲を深める。
       存在そのものが不退転の救済力となって力強く歩む。

 こうして「欲」「触」「愛」「慢」の女尊は、男女の性愛といった最も激しくはたらく欲の力をも、自分の悟りと他者の救済のために用いる勇猛心へと転換する。
 転換した先の姿が金剛薩埵であり、女尊たちはそこへ融け入る幻である。

 そして、金剛薩埵は、『理趣経』の「百字偈(ゲ)」に説かれるとおり、衆生を救済する。

・悟りを開いても自分の安楽を求めず、生死流転の世界にとどまり、衆生を救済し続ける。
・相手に応じてはたらく智慧と最善の手段によってあらゆる存在を浄める。
・時には欲をも適切に用いて、漏れなく救い浄める。
・蓮華のようにみ仏の色に染まっているので、欲を用いても欲に染まらず衆生を救う。
 この場合の蓮華はパドマすなわち赤蓮華であり、本来、赤色をしている金剛薩埵は他の色に染まらず、ミイラ取りがミイラになることはない。
・浄らかな大欲(タイヨク…他を利してやまない意欲)と大楽(タイラク…何ものにも揺るがぬ安寧))をもって、自在の力を発揮し、衆生のためにはたらく。

 金剛薩埵は、生きとし生けるものと共に生きる。
 時にはそれぞれが持つあらゆる欲をも適切にはたらかせ、ただ一つの目的である苦からの救済に向かう。
 きれいごとを言いながら導くのではなく、どろどろした煩悩の力すら生かすのである。




 原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
 般若心経の音声はこちらからどうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
 お聴きいただくには 音楽再生ソフトが必要です。お持ちでない方は無料でWindows Media Player がダウンロードできます。こちらからどうぞ。




「おん さんまや さとばん」※今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0





[投票のご協力をお願いします。合掌]

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へにほんブログ村

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 真言宗へにほんブログ村

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 悩み・苦しみ・迷いへにほんブログ村



blogram投票ボタン


スポンサーサイト

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。