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2015
10.29

お骨預かりの真実 ―見送る人と見送られる人―

20151029000422.jpg

 仙南の町からAさんが訪ねて来られた。
 かねてご依頼のあったとおり、亡き御尊父様のお戒名を用意し、ご遺骨を預かった。
 場所は、講堂に隣接する位牌堂『法楽殿』である。
 親を送ったAさんは仕事の関係上、関東へ移り住まねばならず、お墓を建てる意志はあるものの当分、先延ばしになったのだ。
 たった一人の参列者ながら、Aさんはご供養の法要を望まれ、正面のお大師様から伸びている五色の糸を両手にはさんで座った。

 修法後、合掌して、薄紫色をしたあまり大きくない骨箱の前に立った。
 焦点はほぼ箱と合っているのに可視空間がぐっと広がり、焦点深度も深くなった。
 数秒間、不思議な空間を眺め、いつもと同じく深々と頭を下げた。
 戻った視線の先はもう、いつもの空間だった。

 100年以上も前、アメリカの哲学者にして心理学者ウィリアム・ジェームズは、いろいろな次元の宇宙があるという多元宇宙論を唱えた。
 また、この宇宙と次元は同じだが同時並行的に存在する平行宇宙も想定されている。
 もしかすると、さっき感得したのは、御尊父様が移って行かれた、ある種の平行宇宙だったのかも知れない。

 Aさんには何も言わぬまま、送り出した。
 Aさんは、お盆とお正月くらいしか帰郷できないだろうと言う。
 そのおりには必ずお参りに来られると約束された。
 関東地方は駐車料金が今の10倍にもなってしまうので、自慢の愛車は潔く処分し、自転車などの交通手段で頑張る覚悟だ。
「すっかり生きにくい世の中になりましたが、頑張って必ずお墓を建てます!
 それまで、父をどうぞよろしくお願いします。
 私も向こうで、南無大師遍照金剛(ナムダイシヘンジョウコンゴウ)を日々、唱えています」
 Aさんの目には、まっとうに生きる人のひたむきな光が湛えられていた。

 Aさんを見送り、講堂へ戻った。
 骨箱の周囲はほんのりと明るかった。
 きっと、頼もしい息子の旅立ちを喜んでおられるのだろう。

(プライバシーを守るため、事実は変更しています)




 原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
 般若心経の音声はこちらからどうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
 お聴きいただくには 音楽再生ソフトが必要です。お持ちでない方は無料でWindows Media Player がダウンロードできます。こちらからどうぞ。




「おん ばざら たらま きりく」※今日の守本尊千手観音様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IvMea3W6ZP0





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