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2015
12.06

【現代の偉人伝】第215話 ─社会のひずみと利己主義へ挑戦するビル・ゲイツ氏─

201512060001.jpg
〈朝日新聞様よりお借りして加工しました〉

 12月5日付の朝日新聞は、「技術革新、社会貢献から」「子の命を守ることは基本的な価値」と題して、マイクロソフト社創業者のビル・ゲイツ氏が行う社会貢献について報じた。
 アメリカにはかねてから、いわゆる成功者と認められる条件として、福祉活動などへ私財を投げ出すことが必須という文化が育てられてきた。
 大統領が議会で聖書へ片手をおいて宣誓し、裁判でも聖書の上に手を置いて真実のみを語ると誓うアメリカでは、キリスト教的倫理に基づき、博愛奉仕の象徴として寄附行為に大きな価値が認められ、税額控除という優遇措置がとられている。
 それにしても、ビル・ゲイツ氏の英断は見事と言うしかない。
 これで氏は文字どおりアメリカ国民の英雄となり、青少年たちに憧れられ、目ざされる資格を得たことだろう。
 以下、インタビュー記事の抜粋である。

「ゲイツ氏は2000年に、自らと妻の名を取った『ビル&メリンダ・ゲイツ財団』を設立。
 08年にマイクロソフトの経営の一線を退いた後は社会貢献活動に取り組む。
 約9兆5千億円とされる個人資産の『95%』を投じるとしている。」

「最も重視するのがポリオやマラリアなど感染症の撲滅。
 深刻な問題ながら政府や国際機関、企業がいずれも十分取り組めていない分野だ。
『個人の資産だからこそ、長期的視野を持ってリスクも受け止められる』と意義を語った。」

「技術革新の多くは社会貢献の中から生まれてきた」

「裕福な国の人には少額でも、最貧国を支援すればすごい効果がある。
 人には、個人の成功を超えたモラルへの希求がある
 自分の周りだけでなく、人類全体まで視野に入れられるかが問われている


 氏が堂々とモラルを口にできるのは、一攫千金の儲けだけを追求する経営者とは異なる志をもってここまで来たからではなかろうか。
 むろん、〈罪滅ぼし〉のために行う慈善活動も何ら問題はないが、その場合の多くは、モラルという言葉を使いにくかろうと思われる。
 また、「モラルへの希求」はおのづから「自分の周りだけでなく、人類全体まで」を想う視野に至る。
 それは必ずしも人生の成功を前提としない。
 昨年、ノーベル平和賞受賞を受賞したマララ・ユスフザイ氏(18才)を見れば明らかだ。
 パキスタンの一生徒だった氏は、暴漢に襲撃されたが危うく一命をとりとめ、女性が平等に教育を受けられる世界を目ざし、いのちがけの活動を続けている。

「子どもの命の不平等に、最優先で取り組みたかった。
 企業にとってビジネス的な魅力がなく、公的援助も不十分な分野だ


 発展途上国で深刻な感染症に関わることは、商売上のうまみがなく、政治家も名を挙げる機会になりにくい。
 つまり、誰もやりたがらないが、人道上は深刻な危機が現出している。
 氏は、人間社会の基本的な価値が地球規模でないがしろにされていることにと気づき、放置できなくなった。

「世界の最貧困層を苦しめる病気について、研究や援助が不十分だと知って非常に驚いた。
 子どもの命を守るのは基本的な価値
 そのために自分たちのお金を使う。
 それが自分の信じる価値だから」


 この明確な価値観が志を生む。

「行き過ぎた不平等は問題だ。
 資本主義は格差是正の方向へ自動的に動くことはない
 不平等の是正には、多くお金を持つ人が持っていない人に渡すことだ


 資本主義のど真ん中で成功した氏は、その光も影も知り尽くしているのだろう。
 富める者がどんどん富を大きくすれば、やがて、貧しい者へも富が滴り落ちるなどというトリクルダウン理論のまやかしを、現場の者として見抜いている。
 それを標榜し、不平等を放置することは氏のモラルが許さない。
 だから、氏は政治に頼らない。
「不平等の是正には、多くお金を持つ人が持っていない人に渡すことだ」
 政治にやれないことは個人がやるしかない。
 私たちは、この断定を深く深く心に刻んでおかねばならないと思う。
「資本主義は格差是正の方向へ自動的に動くことはない」

富裕層はリスクが高い分野に資金を出し、政府は基礎研究に資金援助をするという協力関係を築くべきだ


 富む者はリスクが低い分野へ投資しようとし、政治家は、文系の学部から理系の学部へと国家予算をシフトしつつあることでわかるとおり、すぐに成果が目立つ研究へ資金援助をしようとする。
 富む者も政治家も自分の利を求める以上、こうした状況は決して「自動的に」是正され得ない。
 このままでは富の偏在がますます進み、学問の土台は崩壊を早めることだろう。
 ここで氏は経済界と政界を断罪せず、最初に自らが私財をなげうち、状況の改善をはかろうとする。
 モラルは畢竟、個人によってしか守られず、モラルを自覚する個人によってしか、まっとうな社会は実現しない。
 まず利己主義を抑えることをもって、富む者へも政治家へも同調を求めた今回の偉業はきっと、歴史に残ることだろう。
 そして、「子どもの命を守るのは基本的な価値」という信念は、私たちの心から利己主義の闇を払う灯火として明々と灯り続けることだろう。

追記

 おりもおり、12月6日付の河北新報は「子ども貧困基金」の寄附が低調であると報じた。

「安倍晋三首相らが発起人となり、子どもの貧困対策として10月に立ち上げた民間基金で、政府が期待する経済界からの大口寄付が1件もなく、寄付総額は11月末時点で計約300万円にとどまっていることが5日分かった。
 2016年度に始めるNPO法人などへの助成事業には億単位の基金が必要とされるが、官民挙げて取り組むとした『国民運動』の看板事業の実施が危ぶまれている。
 『子供の未来応援基金』は、子どもの6人に1人が貧困状態にあるとされる中、個人や団体の寄付で基金をつくり、貧困対策に携わるNPOなどへの助成を主な事業としている。」


 この事実は、日本の経営者がダメであることを意味しない。
 実際、当山とご縁のある経営者は人知れず、隠れた社会貢献をしておられる。
 心ある経営者は、宗教的に言えば「陰徳積善(イントクセキズン)」を実行しているはずだ。
 政治の貧困を民間へ補わせようとし、しかも政策の〈看板〉に利用しようとする姿勢にこそ問題がある。
 世界に冠たる日本であろうとするよりも、「子どもの6人に1人が貧困状態」であることを国家的恥と猛省し、ただちに具体的かつ、実効性のある政策を実行することが求められているのではなかろうか。




 原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
 般若心経の音声はこちらからどうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
 お聴きいただくには 音楽再生ソフトが必要です。お持ちでない方は無料でWindows Media Player がダウンロードできます。こちらからどうぞ。




「おん さんまや さとばん」※今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0





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