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2015
12.16

グローバル化が生んだ危機 ─爆弾テロに怯える時代(その1)─

2015121600022.jpg
〈古いウーファーは期待に応えてくれるか?〉

 なぜ、国家が反国家的な武装集団を抑えられず、爆弾テロが世界中の〈日常〉へ入りこんだのか?
 国際危機グループ(ICG)会長のジャンマリー・ゲーノ氏は朝日新聞のインタビューに答えた。
 以下、要点を抜粋し、考えてみよう。

「現代の世界は、情報やコミュニケーション、ヒト・モノ・カネの移動によって結びついています。
 でも(その回路を通じて)伝わってくるものをどう解釈するかは、場所や立場によって大きく異なります。
 世界はグローバル化されると同時に、バランスを崩し、細分化されているといえます」


 多様なものが入って来るだけで、地域や国家は崩れるだろうか?
 日本が海外から入って来るものを消化しつつ存立を保っているのは例外なのか?

テロを解く鍵はここにあります。
 バランスが崩れ、分断と対立が続く状況だからこそ、過激派組織『イスラム国』(IS)が栄えているのです」

テロの危険性は、社会をさらに細分化することにあります。
 パリのテロによって、フランスという国家の統合が破壊され、欧州が分断される恐れは拭えません。
 ISは今、自らの本拠地に生じた細分化状況を、欧州に輸出しようと狙っています」


 確かにシリアやイラクは「バランスが崩れ、分断と対立が続く状況」になっている。
 欧州やアメリカで国粋主義的な動きが強まっているのは、中東の混乱で発生した難民の急激な流入が社会のバランスを崩し、同時にISなどのテロ組織が活躍する下地となりかねないことへの恐れがあるからだろう。
 米大統領選挙の有力候補者ドナルド・トランプ氏が「米国を、聖戦を信じる者による残虐な攻撃の犠牲にすべきではない」として、過激主義を封じ込める対策を講じるまでイスラム教徒の入国を禁止すべきだとの見解を発表し、その後も共和党支持者から圧倒的な期待を集めていることは見逃せない。
 

「2015年を一言で振り返ると、世界の様々な動きに対し、国家がコントロールを失いつつあることが明らかになった、ということでしょう。
 大国の合意で世界が安定する時代ではもはやない。
 あり得ないことが突然起きる、驚きの連続の時代です。
 指導者が決めるトップダウンの出来事が減り、人々が互いに連絡を取り合うボトムアップ型の出来事が増えたからです。
 テロは、その典型です」

「国家の統制が利かないのは、テロに限りません。
 地球温暖化も、国家単位では答えが見いだせません。
 多国籍企業や組織犯罪網など、国家の枠に収まらない存在も力を持ってきました


 ネットを通じ、世界を股にかけて活動する「多国籍企業や組織犯罪網など」が増えたために、一国の経済制度や警察力だけでは、地球温暖化やテロの拡散に対抗しきれない。
 しかし、氏は触れていないが、軍事企業もまた、世界中へ武器弾薬を売り続けている。
 12月15日付の産経新聞によれば、平成26年における軍事企業の売上高上位100社(中国は入っていない)の総売上高は約48兆5千億円である。
 そのうち、米国企業の占める割合は54・4パーセントに上り、世界第一位のロッキード・マーチン社は約4兆5千億円、第二位のボーイング社は約3兆5千億円となっている。
 この二社の売上高合計は、軍事企業でない日本企業の上位6社(トヨタ・ホンダ・日産自動車・NTT・JX・日立)の合計に等しい。
 ロッキード・マーチン社とボーイング社の従業員数は合計で25万人を越えている。
 これは何を意味しているのだろう?
 ──戦争で儲かる企業の半分はアメリカにあるのだ。

 第二次世界大戦後、「個別国家の戦争は違法である」とする国連の枠組みを作ろうとした時期があった。
 世界中の国々が、戦争は悪である、もう懲り懲りだ、と実感したからだ。
 しかし、それはアメリカにとって不都合だった。
 だから、サンフランシスコ条約と旧日米安保条約の立役者ダレスは、それまでになかった「集団的自衛権」を国連憲章へもぐり込ませた。
 国連安保理によって認められない戦争は違法として弾劾されるはずだったのに、複数の国家間で結ばれた軍事同盟によって起こされる戦争は違法でないと定められた。
 集団的自衛権を標榜して軍事同盟さえ結べば、アメリカはいつでも、どこでも〈正義に基づく戦争〉を正当に行えることとなった。
 だから、中国と独自の外交を行おうとした田名角栄はロッキードによって失脚させられ、かねて国連軍の強化を理想としてきた愛弟子小沢一郎は永遠の悪役とされ、日米軍事同盟の強化を目ざす人びとが政治権力を握り続けて来た。
 また、日本の武器輸出三原則が昨年4月、安倍内閣によって事実上廃止され、「武器輸出を慎む」国だったはずの日本は、堂々と世界の武器市場へ進出し始めた。
 アメリカへ「軍隊を〈地球の裏側まで〉も派遣するから、我々もどんどん消費される武器弾薬で儲けさせてくれ」と頼む〈普通の国〉になりたいと、日本の国民は本当に願っているだろうか?

ナショナリズムの伸長と、宗教過激派の台頭は、実は同じ現象です
 どちらも、冷戦の崩壊に原因があります」

「冷戦とともに消えたのは、マルクス主義だけではありません。
 個人の自由な行動が勝利したと受け止められたことで、(ソ連に象徴される)『集団行動』への信頼も失われたのです。
 ただ、個人の価値が高まると、社会の結束が弱くなる。
 しばらくすると『周囲の人々と共通の価値観を持ちたい』『集団のアイデンティティーに戻りたい』という意識が復活しました

 人間はしょせん、個人の成功だけでは満足できないのです」

「そこに、過激な宗教やナショナリズムの花が開きました。
 ナショナリズムは、政治思想ではありません。
 単に『みんなと一緒にいたい』という思いなのですから。
 何かを成し遂げるための結束ができない時代に、進むべき道を指し示すのが、過激な宗教やナショナリズムです。
 それは、しばしば危険な道なのですが


 個人個人が自由になり、考え、行動する枠がなくなってくると、かえって不安になる。
 その事情は、かつて、エーリッヒ・フロムが『自由からの逃走』で明らかにした。
 彼は、ヨーロッパで中世社会が崩壊し教会も階級も権威を失った時、人びとが新たな権威を探さないではいられない様子を描いた。
 新たな衣をまとった神が登場し、救済される人間と救済されない人間を分けるので、救済される側に入れば安心が与えられる。
 同様に、自由であれば優秀である人間は優秀でない人間より上位に立てるのだが、能力による勝利を目指す方向は、ナチズムの「優性」思想にまで行ってしまった。
 日本における「勝ち組」「負け組」という軽薄な言葉や、韓国やインドにおける異様な学歴競争などは、人間を二分しようとする行き過ぎた自由競争の歪みを顕わにしている。

 現代人の不安はもっと先に来ている。
 かつて村上陽一郎は書いた。
 ニュートンなどの時代はこうだった。
「彼らの自然についての知識を、信ずる神の作品の内部に刻まれた造り手の計画を知り、その栄光を讃えることを目的として、追求し続けていた」(『科学で人間は判ったか』より)
 やがて自由思想家たちが現れ、こうなった。
「知識は、神の意志を知りその栄光を讃えるためではなく、人間に現実的な幸福をもたらす能力を備えたものとして、世俗的に追求されることになった」
 それでもなお、科学が求める真理の絶対性は神の絶対性に結びついていたが、科学の発展はキリスト教のドグマに多くの矛盾や疑問を見つけさせ、〈まず信じよ〉という宗教は権威を喪失しつつある。
 また、量子力学や心理学や生命科学の発展は、カチッと完全に構成された世界のイメージではなく、さまざまな面で境界のあいまいな世界と人間のありようを浮き彫りにしつつあり、これにすがれば大丈夫という絶対神の存在をますます危うくしつつある。
 花形の開発は、兵器と発電という恐るべき鬼子たちを生み出してしまった。
 神にはすがれず、科学もその発展だけでは人間に幸不幸のどちらをもたらすかわからない

 こうした現代に『周囲の人々と共通の価値観を持ちたい』『集団のアイデンティティーに戻りたい』という欲求が生じた。
 今、「過激な宗教やナショナリズム」がそれに応えようとしているが……。




 原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
 般若心経の音声はこちらからどうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
 お聴きいただくには 音楽再生ソフトが必要です。お持ちでない方は無料でWindows Media Player がダウンロードできます。こちらからどうぞ。



「のうぼう あきゃしゃきゃらばや おん ありきゃ まり ぼり そわか」※今日の守本尊虚空蔵菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IY7mdsDVBk8





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