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2016
03.12

東日本大震災被災の記(第181回) ─海と血潮─

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 3月11日の朝、境内地は薄く白い雪に覆われていた。
 あの日は、だんだん雪が降りしきってきた。
 今日も雪になるのか……。

 ご葬儀へでかける頃は日が射し、いつしか雪は消えかけていた。
 普段、何かを信仰しているわけではないが、お身内を当山の修法で送って欲しいというお申し出だった。
 天寿をまっとうした方は生きたまま枯れたように穏やかな威光をまとっておられた。

 帰山して法務を行っていると、町内のスピーカーからお知らせが流れる。
 一心不乱になっていたので内容を聞き漏らし、職員の森合さんに訊ねたら、もうすぐ2時46分になるから黙祷しましょうというお話。
 時計は確かに〈その時〉が近いことを知らせていた。

 瞑目すると、やがて一陣の風が吹き、窓外の六地蔵様にかけた善名善女の絵馬たちが一斉にカラカラと鳴った。
 鳥がキーッと声をあげた。
 瞼の裏に、あの日、共同墓の壇上で、津波の来た方角へクルリと向きを変えた大日如来のお像が浮かび、何かのざわめきが聞こえたような気がした。

 夜、仙台市で開いている隠形流居合の道場へ行く。
 道場にお借りしている会館の三階にあるオープンスペースは、当山で書道教室を開いてくださっている書家髙橋香温師の個展会場になっていた。
 師は一人でご縁の人びとを待っておられた。

 個展を申し込んだこの会館は、3月11日から数日間だけ空いていたのでちょうどこの日に始められたのです、と師は言う。
 師はあの津波でご家族を亡くし、一人ぼっちになられた。
 5年後の今、人も家も生活も呑み込んでしまった海をこう詠み、「永遠しずく」と大書された。
 
「太陽に輝く
 青い海
 月夜に輝く
 白い海
 永遠しずくとなる
 海よ
 すべては血潮が
 知るところ
 生と死が
 わかちあう場所を」

 帰山して写真を見た。
 永遠しずくとは、お大師様が説かれた一文にある「海渧(カイテイ)」すなわち、海に満ちる潮から生じる無限の滴(シズク)からインスピレーションを得た言葉であり、文字であると、師は語ってくださった。
 師の血潮と涙を感じ、お送りした御霊へ祈り、生者と死者の3月11日は終わった。

○個展「永遠しずく」は、仙台市青葉区旭ヶ丘の日立システムズホール仙台にて3月16日まで。




 原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
 般若心経の音声はこちらからどうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
 お聴きいただくには 音楽再生ソフトが必要です。お持ちでない方は無料でWindows Media Player がダウンロードできます。こちらからどうぞ。




「おん さんまや さとばん」※今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0





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