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2016
03.13

東日本大震災被災の記(第182回) ─「映画「『日本と原発』 4年後」を観て─

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 当山の寺子屋で映画「『日本と原発』 4年後」を観た。
 あらためて、私たちの文明がたどりついた地点を知った。
 福島県浪江町の馬場町長は言う。

「小学校と中学校で9校ありましたが、生徒たちは全国699校に分散しています。」

「悔しいなんてものじゃありませんよ。
 町民は悲しみと怒りでいっぱいです。
 何代にも渡って住んでいた土地を追われたんです。
 町の匂いまでも消されたんですよ。」

「小学生の手紙には、大人になったら浪江を再興したいとありました。」


 町長は、顔といい、雰囲気といい、故鶴田浩二を想わせる。
 太平洋戦争で数多くの特攻機を見送った鶴田浩二は生涯、生き残った者という自覚を持って行動し、戦争を憎み、戦没者のご遺骨を収容する事業に莫大な寄附を続けた。
 町長も鶴田浩二も、〈背負ってしまった人間〉の覚悟を強く滲ませており、言葉には言霊が顕わに顔を出し、存在はこの世ならぬ陰影を帯びている。

 現在、10万人を超える方々が故郷を追われ、流浪の民となっている。
 統計に含まれない自主的避難者を含めれば、どれだけの人びとがそれまでの生活を奪われたか、見当もつかない。
 友人・知人・家族・家・地域・仕事から突然、切り離された膨大な人びとの心と生活はとても想像がつかない。

 映画を見終わり、Aさんがしみじみと言われた。
「テレビでは復興がめざましいとか遅れているとか盛んにやっていますが、ほとんどは津波に関するものです。
 5年間の変化がわかりにくく、映像になりにくい原発事故に関する報道はとても少なく、違和感を感じました。」

 この事故は文字通り〈取り返しがつかない〉できごとである。
 理由の一つは、膨大な人びとの人生が奪われ、償われようがないこと、もう一つは、教訓として発展させるという方法がないことである。
 監督の河合弁護士は、原発事故がこれまでの「科学・技術進歩の一般論」に当てはまらないと主張する。

 第一に、事故も失敗も、普通は原因究明や検証によって次の進歩へ結びつけられるが、原発事故は被害があまりにも大きく、無限定かつ不可避であって人類の絶滅すらもたらしかねず、教訓にはできないからである。
 第二に、放射能のために、できごとの解明も検証も事実上、不可能であり、実態を知り得ないからである。
 その証拠に、チェルノブイリではコンクリートで全体が固められてしまい、福島では損害賠償が現に行われ、何兆円にも達する裁判が起こされているにもかかわらず、5年経ってもいまだ、警察も検察も実地検分ができず、証拠は次々と破壊され続けているではないか。

 映画は全編を通して、原発が明らかに〈手に負えない〉シロモノであることを告げている。
 創り出した人類、日本人は、これまでに創り、利用し、恩恵を享受してきた者として一日も早く廃棄し、後世のために責任を果たすしかない。
 原発の安全神話が実態のない虚構であったことを知ったように、 科学がいつも人類のために発達し続けるという神話から私たちは一日も早く目ざめねばならない。

 最後に流れた河合弘之弁護士のメッセージである。

原発事故
 国民生活を根底からくつがえす。
 経済も文化も芸術も教育も司法も福祉も
 つつましい生活もぜいたくな暮らしも
 何もかもすべてだ。
 したがって、
 原発の危険性に目をつぶっての
 すべての営みは、砂上の楼閣と言えるし、
 無責任とも言える。
 そのことに国民は気が付いてしまった。
 問題は、そこで
 どういう行動をとるかだと思う。」


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 原発を心眼で観てみよう。
 中で何千人もの人びとが日々、被曝しながら作業している建造物はまるで、文明の巨大な墓場ではないか。
 決して憩いのない不気味で無機質な化けものと闘うか、それとも闘わないで滅ぼされる時を待つか、私たちは今、分岐点に立っている。

 子々孫々のために潔く責任をとろう。
 原発を廃棄し、文明を転換させよう。
 これまで原発にすがって生き、今を生きている一人一人のいのちが尽きぬうちに。




 原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
 般若心経の音声はこちらからどうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
 お聴きいただくには 音楽再生ソフトが必要です。お持ちでない方は無料でWindows Media Player がダウンロードできます。こちらからどうぞ。



「おん さん ざん ざん さく そわか」※今日の守本尊勢至菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。

https://www.youtube.com/watch?v=qp8h46u4Ja8





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