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2016
05.04

野球場を避難所に ─東日本大震災被災の記(第184回)─

2016-05-06-0001.jpg
満福寺の大師堂に祀られた三鬼は凄まじいパワーを発揮している〉

 野球場災害発生時の避難所として整備しておくという構想がある。
 教王山満福寺(栃木県栃木市)の住職長澤弘隆師の発想である。

 すべてをドーム型にし、観客席の下を、いざという場合の管理所や医療施設や非常食などの保管庫、あるいは発電施設などに使えるよう準備しておくという。
 また、グラウンド部分へ避難者を収容できるよう、敷物や間仕切りなども用意しておきたい。
 こうすることによって、雨風をしのぎ、プライバシーも守られながら、憲法の理念が最低限であはあってもどうにか守られるのではないか。

 個人の尊重(尊厳)、幸福追求権及び公共の福祉に関する日本国憲法第13条は以下のとおりである。
「すべて国民は、個人として尊重される。
 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」

 ちなみに、自民党憲法草案の第13条はこうなっている。
「全て国民は、人として尊重される。
 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない。」
 国会の質疑において、現憲法の「個人」が「人」となっている点について民進党の議員から訊ねられた安倍首相は先日、笑いながら短くこう答弁し、すぐに着席した。
「さしたる意味はありません。」

 さて、本題だが、師は指摘する。

「毎年のように大地震・風水害・火山噴火などの自然災害が起きるたび、行政当局からの避難勧告・避難指示に従って住民が避難する先は決って学校の体育館。
 持病があったり、足腰が不自由な高齢者も、体調のすぐれない人も、妊産婦も、乳幼児をかかえた女性も、幼い子供たちも、硬く冷たいフロアに毛布一枚で雑魚寝。
 冷暖房もない、トイレはすぐに汚物がつまり汚臭があたりに漂い、食べ物飲み物もなかなか届かず、やっと食べ物にありつけるかと思えばおにぎり一つをもらうのに2時間も3時間も並ばされ、プライバシーもなく、人間としての尊厳などどこにもない、我慢・忍耐の限界で生きることを延々と強いられる不便・不自由なストレス生活。
 基本的人権だとか主権在民だとか、この国はとくに政治家(とりわけ民進党・共産党・社民党)は口を開けば『民主主義、民主主義』と言いますが、災害避難所の体育館で納税者である住民を人間以下扱いしておいて何が民主主義か、どこが主権在民か。
 主権者たる国民に長期間人間以下の生活を強いる行政の非人間性や不作為は明らかに憲法違反です。
 この国の行政は、避難住民をとりあえず安全で大勢の人を収容できる建物に集めることしか考えておらず、それ以上のことは想定にないのです。
 憲法第25条は『すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利がある。国は、すべての生活部面において、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない』(生存権)と言っています。
 避難生活は『すべての生活部面において』『健康で文化的な最低限度の生活』には含まれないのでしょうか。
 避難住民は『すべての国民』に入らないのでしょうか。
 ともかく、学校の体育館などでの長期の避難生活は人権無視です。

 そこで、何とか最低限の人間らしい避難生活はどうすればできるかです。
 一考を案じました。
 どこの都道府県にも何ヵ所かある高校野球のできる野球場
 あれを必要と思われる数だけ、国と都道府県が災害特別事業予算を組んで『全天候型・冷暖房付・ドーム式野球場』しかも堅固で耐震性高くリフォームし、いざ稼動という時には、グラウンド部分には100m×100mの床と2m×2mの間仕切りスペースを2000ヵ所、1日でできるよう関係資材を備蓄しておき、残余の部分にはさまざまな業務ごとの受付・相談や食べ物飲み物の受け渡しなどのためのテントを建て、スタンド下には避難業務の本部、臨時病院または医務室、医師・看護師の寝泊りなどの控室、医薬品・医療機器倉庫、飲み物・食糧庫、発電設備・機材倉庫、燃料倉庫、調理給食室、情報発信室、関係者寝泊り控室、ボランティア寝泊り控室、報道関係控室、大浴場・シャワー室、娯楽室、キッズ遊び場等々、必要に応じて確保しておきます。
 これくらいものがどこの都道府県にも当然のようにあって、いざという時に住民が体調を崩さず安心して長期避難に耐えられるようにしておくのが、基本的人権・民主主義先進国ニッポンの行政というものではありませんか。」

(「」内は師の文章をそのままお借りした)

 野球場のみならず、さまざまな大規模施設に師が提案されたような検討を行う余地があるのではないだろうか。
 それにしても、こうした避難施設が事実上、用意しようのない原発事故は恐ろしい。
 福島原発ほどの大事故が現に発生していながら、机上の空論に限りなく近い避難計画を根拠にして原発を推進するなど、個人の尊厳が守られている国とは思えない。
 私たち自身が自らを守る方法について、さまざまな世界から発せられる具体的な提案や、地域のさまざまな知恵も結集しながらよく考えたい。
 真の民主主義が幸(サキワ)う日本であるために。




 原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
 般若心経の音声はこちらからどうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
 お聴きいただくには 音楽再生ソフトが必要です。お持ちでない方は無料でWindows Media Player がダウンロードできます。こちらからどうぞ。



「おん あみりたていせい から うん」※今日の守本尊阿弥陀如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=4OCvhacDR7Y





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