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2016
06.16

映画『TOMORROW 明日』を観て

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 映画『TOMORROW 明日』を観た。
 原爆が落とされる長崎で暮らす人々の前日と当日を描いた作品である。
 戦争末期とはいえ、寝て起きて、飯を食い、はたらき、恋をする人々の日常生活は淡々と続いている。
 それは広島に原爆が落とされた直後であっても変わらない。

 東日本大震災の直後を思い出す。
 浜辺は信じがたいほどの惨状であっても、水が及ばなかった高台の生活は見かけ上、震災前とさして変わらない。
 駆けつけた気仙沼で目にした光景には呆然とさせられた。
 津波に遭い、泥にまみれながら後片付けをしている人々の目線が届く範囲にある民家では、普段通りの〈洗車〉が行われていたのだ。

 長崎の日常生活は、人々の思いと真実によって普段通りに紡がれる。
 結婚も、出産も、仕事も、招集も、近所づきあいも皆、〈明日〉を前提としていればこそ、今日のふるまいようがある。

 新婚初夜、蚊帳の中で新婦と向きあった新郎は、母の形見の指輪を新婦の指にかける。
 
「あなたを大切にします。
 戦争はどうなるかわからないが、
 それだけは約束します」

 母親の秘密について告白しようとするが、言い出しかねている様子に、新婦は優しく言う。

明日でも明後日でもいい。
 まだ時間はいっぱいあるでしょう」

 恋人の学生から召集令状が来たと聞かされて新婦の妹は泣く。

「悲しくて泣いているのではありません。
 招集が来て嬉しいのかも知れないけれど、
 それでも勝手に涙がでてしまうんです」

 その先に本音が出る。

「秀雄さんを一人では死なせたりはしません。
 もしも万が一、死ぬことになったなら、
 私も生きてはいません」

 二人は抱き合ってただ、泣くしかない。

 結婚式に参加した新婦の姉はその日、陣痛が起こる。
 母親と、産婆さんと、一晩かけてようやく男児を出産する。
 母親は汗を拭いながら言う。

「いい天気だねえ」

 それぞれが明るい一日を迎えた昭和20年8月9日の昼前、ゴーッという爆撃機の音が空から聞こえる。
 そして、一瞬の閃光がすべてを消滅させた。
 プロローグが思い出される。

「人間は
 父や母のように
 霧のごとくに
 消されてしまって
 よいのだろうか」
  (若松小夜子「長崎の証言・5」)

 こうして身内や大切な人を〈消された〉体験に身震いする人々は、70年経った今、この世から〈消えつつ〉ある。
 それと共に、理不尽な消滅のできごとを、我が身に置き換える想像力が〈消えて〉しまわぬよう願ってやまない。
 体験者がいなくなれば、あとは想像力に頼るしかない。
 それが枯渇した日には、恐ろしいことに、きっと愚行は繰り返されることだろう。




 原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
 般若心経の音声はこちらからどうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
 お聴きいただくには 音楽再生ソフトが必要です。お持ちでない方は無料でWindows Media Player がダウンロードできます。こちらからどうぞ。




「おん さんまや さとばん」※今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0





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