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2016
08.05

サイレントの非人間性 ─社会の構造がおかしくはないだろうか─

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 8月4日、朝のNHKテレビで「サイレント」に関する報道を観た。

 サイレントとは、採用試験を受けた学生にわざと結果を知らせず、質問へも答えないで保留のままにしておくことである。
 こうした問題はかねて一部企業にあったが、今年は一気に増え、就職情報会社の調査によれば約4分の1の企業に見られるらしい。
 受験者も家族も、結果がわからないので気が気でなく、就職活動を継続すべきかどうか、判断もつかず、窮地に陥ってしまう。
 結果を訊ねて嫌がられ落とされるのではないかと不安になって調べられずにいたり、思い切って電話を入れても通じないなど、まったく不当な扱いを受けている。
 
 これはかつて、銀行などの金融機関が融資の申込みを受けてからいつまでも可否の通知をしないなど、借り手に著しく不利、不都合で、平気で困難や危険を与えるやり方が

蔓延していた時代と酷似している。
 小生は娑婆にいたころ、融資を申し込んて放置された経営者が、銀行の支店長へ宛てた遺書を残して自殺した惨たらしいできごとを知っている。
 無論、小生もそれに近い体験をしている。
 また、役所が各種の申込みをいつまでも放置し、時間がかかればかかるほどありがたがられると考える悪しき慣習にどっぷりと浸っていた時代も思い出させる。
 すがる側を苦しめる悪習が今、一人の学生が数十社も受験するという極めて過酷な時代によみがえりつつあるとは、何ということだろう。

 NHKは、不安のあまり精神科に通う学生を取材した。
 このクリニックを訪れるサイレントに苦しむ学生はここ半年で60人に達し、昨年を大幅に上まわった。
 取材に応じた企業の実態は以下のとおりである。
 ある企業では、学生を4ランクに分け、上から二番目の内定者には連絡をせずにおく。
 それは、最上位にある内定者が他の企業を選んだ際の補充要員にしておくためである。

 確かに企業側にとっては、極めて便利なやり方だろう。
 しかし、受験者にとってはあまりにも惨(ムゴ)い仕打ちと言うしかない。
 サイレントをやる企業の担当者はぜひ、相手を自分の子供に置き換えてみる想像力を持って欲しい。
 こうした非人間的な企業行動は、人権上、決して許されるものではない。
 ここまで人間が人間扱いされないとは、驚くべき時代になった。

 その原点は昭和60年、中曽根内閣の「派遣法」に始まったと考えられる。
 当初はあくまでも派遣は例外であり、特定16種類に限定されていた。
 その後、橋本内閣で適用範囲が広がり、小渕内閣に至り、ついに原則自由化、非派遣業種が例外とされるに至った。
 この状況を、法学者で龍谷大学教授の脇田滋氏は、的確に分析している。
 以下、論考「労働者派遣法案改悪のポイント」(平成11年)より。

「施行一二年間を経過した労働者派遣法の実際上の意義は次の三点にあると言える。
 つまり、(1)当時、蔓延していた職業安定法違反の業務処理請負業をサービス業に限って追認すること(違法追認型規制緩和)、
(2)情報処理サービスの増加が予想されるなか関連労働者を雇用調整可能な形で安上がりに利用すること(中間労働市場論)、
(3)男女雇用機会均等法制定にともない女性労働者を正社員ではなく派遣労働者として利用する道を開くこと(性差別の雇用形態差別へのすり替え)である。」


 要は、それまで違法だった請負業を違法でなくした、企業が労働者を安上がりに使えるようにした、女性を正社員でなく安上がりに使えるようにして女性の就職率を上げ、見かけ上の男女差別を小さくしたのだ。
 その後、森内閣では紹介予定派遣が解禁され、小泉内閣で事前面接が解禁、第一次安倍内閣で製造業の派遣期間が3年になり、事実上、経営者にとってはほとんど何でもありになった。

 はたらく者が、はたらく先から得られる正当な報酬を途中で〈人間を管理する業者〉にピンハネされる構造は、根本的におかしくないだろうか?
 はたらく者が、はたらく先と、管理する業者とからダブルで管理され、生殺与奪の権を握られるシステムは、あまりにも非人間的ではなかろうか?
 タコ部屋で缶詰にされた若者を助け出した体験のある小生などは、どうしても、人身売買に通じる非倫理性を感じてしまう。

 私たちは立ち止まるべきではなかろうか?
 変えるべきシステムは勇気を持って変えるべきではなかろうか?
 まず、サイレントを行う企業名は公表されねばならない。
 そして、受験する人々は、そうした企業をボイコットすべきである。
 それは選挙の一票よりも確かにこの世を変え、多数の人々を救う行動であると思えてならない。

 非人間的なものへ立ち向かわなければ、私たちはこの先、ますます人間性を奪われてしまうだろう。
 あらゆるものが争奪戦に投げ込まれ、人々は排斥し合い、対立し、この世は極楽から遠ざかる。
 それは、地獄への道行きと言えるほど恐ろしい未来である。

 私たちは、非人間的なもの鈍感であってはならないと、強く思う。




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「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA





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