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2016
09.12

病院のベッドから魂が抜け出して自分のお墓を見に行った話

2016-09-12-0001.jpg

〈「唱歌を唄う会」でご指導いただいた小山裕之先生〉

 秋晴れのある日、母親と娘さんがおの引き渡しを受けに来られた。
 ご一家で考えに考えた理想のおがようやく完成し、母娘は笑顔だった。
 それから小一時間ばかり経って、寺務所へ電話が入った。
 お父さんが亡くなられたので枕経を頼むという。
 職員共々、驚いた。

 ご自宅へ駆けつけ、枕経の終了後、成り行きをお聴きした。
 病院で付き添っていた母娘は、数日前から悪化した各種の数値は気になるものの、引き渡しの約束をしていたので、当山へ向かった。
 思い通りのおを確認して間もなく、病院から至急、戻って欲しいと連絡が入った。
 まさかと思いつつ急ぐ途中で訃報を聞いた。
 厳しい闘病生活が続いていたにもかかわらず、お父さんは文字どおり眠っているようにしか見えなかったという。

「きっと、お父さん、一緒におを見に行って安心したんだよ」

 東京から駆けつけた妹が言うと、誰もが目に光を取り戻し、静かな笑顔になった。
 母親を車に乗せておを受け取りに向かった長女も急いで応える。

「きっとそうよ。
 毎日、付き添っていたのに、お母さんと一緒に病院のベッドを離れる時も、全然、心配しなかったよね。
 自分でおのスケッチを描いたりしたお父さんだから、私たちについて来て安心したんだね」

 みんなの視線があたらめて横たわるお父さんに集まり、厳粛な和らぎが居間に満ちた。
 本当にそう思う。
 住む家が完成して安心しない人がいようか。
 お父さんのあだ名は「観音様」だったという。




 原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
 般若心経の音声はこちらからどうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
 お聴きいただくには 音楽再生ソフトが必要です。お持ちでない方は無料でWindows Media Player がダウンロードできます。こちらからどうぞ。



「のうまく さんまんだ ばざらだん かん」※今日の守本尊不動明王様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=EOk4OlhTq_M





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