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2016
11.11

四国の巡拝を終えて ─ご加護と祈り─

508.jpg
〈キリシタン灯籠〉

 おかげさまにて、四国の霊場を25カ寺、予定通り巡拝し終えました。
 雨も風もありましたが、前回のような嵐には遭わず、60代から70代の男女7名はそれぞれの目的を達しました。
 お大師様をはじめ仏神のご加護と有縁無縁の方々の善心とが、強い悪縁を避け、弱りつつある足腰をお支えくださいました。
 感謝にたえません。

 48番札所西林寺では、考えごとをしているうちに車の中へ頭陀袋(ズダブクロ…托鉢などで首に懸ける袋))を置き忘れ、せっかく納経所に並んでいる運転手の滑田(ナメタ)さんを列から外させるわけにもゆかず、心でお線香やおローソクを捧げました。
 情けなく、申しわけない気持でいたところ、帰り際、滑田さんから教えられました。
「納経所の横におられる福授地蔵様は、願い事をお聞き届けくださることで有名です。
 ただし、願いは1つだけしか懸けられませんから、くれぐれも欲張られませんよう」
 もちろん全員が、池の中に立つお地蔵様へとつながる橋の前に並びました。
 引け目を感じている小生は、「さあ、誰の何を願うんでしょうか?」などと軽口を叩きながら最後尾につきました。
 結局、忘れた不始末をお詫びして、何とか最後まで役割を果たさせてくださいと祈るしかありませんでした。

 46番札所浄瑠璃寺では、ご本尊薬師如来様の前に立ったところ、早朝でまだ参拝者もほとんどいないのに、大きな屋根の下に集う無数の人々の気配を感じて鳥肌が立ちました。
〝これはどうしたことだろう?〟
 畏怖の念を抱きながら大師堂へ向かったら、「抱っこ大師」がおられました。
 幼少時のお大師様に擬した小さな木彫りのお像で、皆さんがいなくなってからこっそり抱っこしたところ、妙にしっくり来るではありませんか。
 男女それぞれ、肉体的にだけでなく精神的にも特性があり、男性原理、女性原理という言葉もありますが、男女共に、精神的には両性の要素を持っているようです。
 その比率には当然、個人差があって、その人らしさが形づくられています。
 抱っこ大師は、女性に母性を意識させるだけでなく、男性からも隠された善き女性的何ものかを引き出してくれるのでしょうか。
 帰山してから調べたところ、江戸時代、地元の庄屋が托鉢僧堯音となって全国から寄進を募り、山火事で消失した伽藍を再興したと知り、二度、鳥肌が立ちました。

 そういえば、飛行機に備え付けられた雑誌に、競馬馬を指導する調教師の話が載っていました。
 牡馬は自己主張が強くてよく抵抗するが、嫌なことをすぐに忘れてくれる一方、牝馬は嫌なことをよく覚えているから慎重につき合わねばならないと書いてありました。
 隣に座ったAさんにこのことを伝えたら、「私は牡馬ね」と大笑いになり、妙に納得したものでした。

 最後の53番札所円明寺では、ご本尊の阿弥陀様とすっかり感応してしまい、声明(ショウミョウ)からすぐに阿弥陀様の真言に入り、たった3度ですが存分に唱え終わって振り向いたところ、皆さんから般若心経がまだですよとお叱りを受けました。
 それでも気を取り直して大師堂へ向かい、最後に九字を切って無事、行程を終えました。
「善男善女、心願成就」
 帰り際に、滑田さんからキリシタン灯籠へ導かれました。
 キリスト教が禁制だった時代、円明寺では事実上、キリシタンの祈りを認めていたとされています。
 さすがはマンダラを説くお大師様の姿勢を受け継ぐ寺院であると感じ入りました。

 途中でアメリカ大統領選挙の結果を知りました。
 私たちはさまざまな観念を持ち、願いを持って生きていますが、人間の歴史と共に練られ、深められてきた普遍的な価値を伴った観念は、目先の現象を眺めているだけではつかめず、実感もできません。
 移民国アメリカで培われてきた〈平等〉の思想は、公正な社会を実現するために不可欠であるにもかかわらず、目先の結果を競う方向へと強く傾斜した〈自由〉の意識に覆われつつあるように思えてなりません。
 それは、資本主義体制をとる先進国各国に共通する問題です。
 自由に結果を競うだけの単純な原理で世界が動けば、弱肉強食という現実の前に勝者と敗者は固定化し、勝者はより富み、増殖する敗者たちはより簒奪されて悲惨な境遇に陥ることでしょう。
 これではケダモノの世界と変わりないではありませんか。
 トランプ氏は叫び続けました。
「アメリカを偉大な国にする!」
 それは、アメリカ人以外を除く世界中の人々にとっては、迷惑で独り善がりな意識でしかありません。
 自国や自国の仲間だけが勝者であろうとするような意識を喚起する指導者には、世界中が注意せねばならないと思います。
 一方、彼の最大の功績は、民主党のサンダース氏と共に、没落しつつある層の苦しみや怒りをしっかり受け止めたという点にあるのではないでしょうか。

 硬直した原理だけでは公正な社会を気づきにくいという現実の前で苦闘しているフランスのオランド大統領だけは、さすがのコメントを発表しました。
「今般のアメリカ大統領選挙は不確実な時代を開きます。」
 単純で俗耳に入りやすいフレーズを叫ぶ人ではなく、対立する思想や立場や利害を公正に調整できる慎重で叡智に富んだ指導者が求められていると思います。
 そして、私たち一人一人もまた、そうした人を選べるよう意識を高めねば、社会の亀裂や対立を深めて行くおそれがあります。

 お釈迦様は2500年前、弱肉強食から自他共に救われる道へ向かうよう説かれました。
 お大師様は1200年前、個人的・歴史的人間性の深まり、高まりがどのように進んで行くか明確に説かれました。
 実際に主著「十住心論(ジュウジュウシンロン)」「秘蔵宝鑰(ヒゾウホウヤク)」を読み解いた岡倉天心、菊地寛、湯川秀樹、井筒俊彦といった人々は、その真実性と価値を指摘しました。
 不確実な時代に、私たちと日本が進路を誤らぬよう、45番札所岩屋寺の穴禅定では魂魄の力を込め、九字を切りました。
「天下泰平、万民富楽、不戦日本、世界平和」




 原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
 般若心経の音声はこちらからどうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
 お聴きいただくには 音楽再生ソフトが必要です。お持ちでない方は無料でWindows Media Player がダウンロードできます。こちらからどうぞ。



「のうまく さんまんだ ばざらだん かん」※今日の守本尊不動明王様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=EOk4OlhTq_M





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