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2016
11.13

先進国の贅沢と世界的格差の罪 ─鬼子母神に学びたい─

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〈冬の四国霊場で桜に出会うとは〉

 11月12日付の河北新報は、「世界が日本と同じ暮らしをしたら」と題し、世界自然保護基金WWF)の調査結果を掲載した。
 以下、抜粋である。

「世界中の人が日本人と同じような暮らしをした場合、地球全体で必要になる食料や水、木材など自然資源の量は、地球が安定的に供給できる量の2・9倍になってしまうとの報告書を、世界自然保護基金WWF)が11日までに発表した。」

「各国の消費データを専門家チームが分析。
 現状でも安定供給できる量の1・6倍の資源が世界全体で消費されており、中国やインドといった新興国が経済成長して先進国並みの暮らしをする人が増えると、状況がさらに深刻化する恐れがある。」

「発展途上国の人々が貧困に苦しむ一方、日本などの先進国で資源の大量消費が続いていることを改めて示す結果だ。
 WWFは『危機的な自然環境を回復させるため、過剰な消費を減らして、環境に配慮した製品を選ぶべきだ』と訴えている。」


 ちょうどこの日、当山の寺子屋「法楽館」では、ダラムサラにおけるダライ・ラマ法王の日常生活に密着した映画『サンライズ・サンセット』を観た。
 ロシア人のドキュメンタリー映像作家マンスキー氏の作品は瞑想と講演を日常とする聖者の生活を活写していた。
 氏が帰国する車中で法王の話を回想する場面は忘れられない。
 以下は法王の言葉である。

「問題は貧富の格差にある。
 一般的にみて、北半球の人々はあり余る製品を作り、余剰分を輸出して利益を得ている。
 一方、南半球にあるアフリカや中南米やアジアの多くの国々は、貧しく、飢えに苦しむ地域さえある。
 同じ地球に生きていながらひどい話だ。
 片方では物があふれてぜいたくを楽しみ、他方では同じ人間が、同じ社会で人権を持ちながら飢えている。
 実に不公平だ。
 米国では億万長者が増えているが、貧しい者は以前にも増して貧しい。」

「貧しい者は富む者を横目で見ながら、不満と溜めこんでいる。
 その不満が募れば怒りになり、怒りが募れば暴力に、やがて共同体全体が不安に包まれる。
 このように、国家間や地域の紛争も、もとを糺せば貧富の格差に行きつく。
 それだけ、格差問題は重大なのだ。
 このまま貧富の差を放っておけば、深刻な事態を招くだろう。


 この映画は8年前に制作されたものが、すでに世界は「深刻な事態」に陥っている。
 南半球にある国々では、戦乱の絶えない状態が続き、覇権と資源を狙う北半球の国々が絶え間なく軍隊を送り込んでいる。
 そして、ついには、南半球から逃げ出そうとする人々を北半球へ受け入れず、封じ込めようという動きが強まってきた。
 ヨーロッパでは、イギリスがEUからの離脱を選び、アメリカでは人種差別的発言を続けるトランプ氏が大統領に選ばれた。
 ガラス細工をつくるように、叡智と忍耐と連帯の力で築き上げてきた普遍的価値が、いとも簡単に脇へ置かれ、目先の不満を解消したいという追いつめられた多数者の意思がマグマとなって噴き出した。
 日本も例外ではなく、他国で戦争をしないという国是が無視され、マイケル・マクエイ・ルエス情報相が「7月に政府軍とPKO部隊との間で交戦があった」と明言しているスーダンで、自衛隊をさらに前線へ出そうとしている。
 
 私たちは、世界のありように目をつぶってはいないか?
 私たちは、世界的悲劇を解決することなど、考えていないのではないか?
 虐げれた人々が暮らす地球の裏側にある戦争は決して他人ごとでなく、私たちの子や孫を巻き込もうとしているのに……。
 生活、進学、就職、収入、医療、あらゆる面で進みつつある格差の拡大を直視し、この不公正が世界的規模で広がり、紛争や戦争の根本原因となっていることを理解し、考え、行動せねばならないのではないか? 
 WWFの指摘を続けよう。

「チームが2012年の国民1人当たりの環境負荷を指標化したところ、米国とカナダが安定供給量の4・8倍を消費。
 ドイツとフランスは3倍ほどで、2・9倍の日本は先進7カ国で5番目に多かった。」

「日本は特に食生活に伴う負荷が全体の26%を占め、食品の大量消費が浮き彫りになった。
 自動車や飛行機など二酸化炭素(CO2)を排出する交通分野も32%と多くの資源を使っていた。」

「また哺乳類や鳥類、魚類など3700種以上の個体数の変化を調査すると、1970年以降の42年間で58%減ったことが判明。
 生息地が失われたのが最大の要因で、地球温暖化や外来生物の影響もあるが、人間活動の拡大が背景にあるという。」


 先進国では、富む者は栄養を摂りすぎてダイエットに励む一方、雇用される者は、はらたきすぎるために成人病で苦しむ。
 地球を破滅へと向かわせながら、これほどまでに〈求める〉必要があるのだろうか?
 もしも、多くの人々がそうせざるを得ないと言うならば、それは富の絶対量が足りないのではなく、社会的配分が不公正だからだ。
 人間以外の血を持った生きものたちが、たった半世紀足らずで約6割も減ったとは、あまりにも恐ろしい現実だ。
 もはや、私たちは、タコが自分の足を食うなどというイメージよりも、鬼子母神の逸話を考えるべきだろう。

 ハーリティーは、美しい女神で500人の子供たちを大切に育てていた。
 しかし、彼女が食べるのは他人の子供だ。
 我が子を食われて嘆き悲しむ人々はお釈迦様へ相談した。
 お釈迦様はただちに彼女の末っ子を1人、隠した。
 気も狂わんばかりになった彼女はついにお釈迦様のもとへ駆け込んだ。
 お釈迦様は、「500人のうちたった1人を失っただけでそれほど悲しいのなら、お前に子供を食われた人々の悲しみはいくばかりか」と説かれ、心を入れ替えた彼女は、あらゆる子供たちを母親のように守る鬼子母神となった。

 私たちは、自分の子や孫が病気になれば、自分のいのちと取り替えてでも救いたいと願う。
 それと同じように、世界中で、飢餓や病気や戦争によって〈我が子や孫〉たちが時々刻々と失われている。
 それは、世界にモノが不足しているからではなく、世界中のモノが偏在しているからだ。
 格差という名の偏在を解消する智慧がなければ、私たち人類は、いきものたちと人間への殺生(セッショウ)という罪の報いを、滅亡によって受けねばならないだろう。
 滅亡など、あっという間に起こって何の不思議もない。
 紛争が戦争に進み核兵器が動けば、もはや、敵も味方もなく放射性物質の餌食となり果てる。
 格差の拡大、核兵器と核発電の存在、そして調整されない人口の爆発は、その現実性を日々、高めている。
 このままでよいという根拠はあろうか?
 



 原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
 般若心経の音声はこちらからどうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
 お聴きいただくには 音楽再生ソフトが必要です。お持ちでない方は無料でWindows Media Player がダウンロードできます。こちらからどうぞ。



「おん あみりたていせい から うん」※今日の守本尊阿弥陀如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=4OCvhacDR7Y





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